洗うのが仕事、冷やすのが仕事〔7432〕2023/08/21
2023年8月21日(月)晴れ!
良いお天気。今日も暑いねー。昨夜はエアコン付けて寝た方も多かったのではないでしょうか。熱中症も怖いですきんね。電気代も怖いけど。
牛乳工場でも、これだけ暑いと電気代、かなりかかります。が、まあ、暑いと飲み物が売れるからいいんですが。昔から牛乳工場は「洗うのが仕事」とか「冷やすのが仕事」とか言われてきました。少し、説明しましょう。珍しく仕事関係の話やね。
僕がひまわり乳業南国工場に入って、製造の仕事をすることになったのは1985年のこと。そのときに「牛乳屋は洗うのが仕事」を実感したのでした。とにかく、洗う。使用する前の機器を洗い、殺菌する。生乳が入ってきた牛乳缶を洗い、殺菌する。空いたタンクを洗う。配管を洗う。製造が終了したら、配管、タンク、そして機械をバラして洗う。そして殺菌する。とにかく、洗う。殺菌する。の、繰り返し。製造の新人さん、仕事のほとんどは洗う時間だった記憶があります。現在はかなり自動化されているけど、基本は変わらない。小さい工場でも、巨大な乳業工場でも同じ。洗う。洗う。殺菌する。
そして、「冷やす」。工場には冷凍機がいくつもいくつもあって、いろんなものを冷やしています。入荷してくる生乳を冷やす。貯乳タンクを冷やす。配管を冷やす。製造は、加熱殺菌と冷却の繰り返し。入荷してきた野菜は、洗浄などの処理をしてから、冷凍する。いろんな原材料も、冷蔵や冷凍で、冷やす。もちろんできあがった製品も、冷やす。弊社にも巨大な冷蔵庫や冷凍庫があり、そこでたくさんのものが、冷やされています。
冷媒によっていろんなものが冷蔵できるようになってから、社会は大きく変わりました。その歴史は、この100年ちょっとのこと。で、昔、冷媒として多く使われてたのはアンモニア。高知市南与力町に弊社の工場があり、そこにあった社宅で暮らしていた僕にとって、その冷媒「アンモニア」は、身近なものでした。
それは。どういう訳か、夜中に、冷媒漏れが発生したことがあったから。アンモニアが漏れると、強烈な臭いがします。これは大変。工場の外まで漏れさせる訳には参らん。そこで、操業の終わった誰もいない工場の中に入っていって、冷凍機のスイッチを、切る。これが、アンモニア漏れの際の初動体制。今は昔やねー。小学生の頃、父が不在のときにそんなことになったことがあり、鼻つまんで息止めて、強烈な臭いの中を走った記憶が蘇る。ああ。今は昔。
その後冷媒は便利なフロンになったけど、環境問題が表面化して、今は代替フロン。自然への影響をできるだけ抑える為、また、アンモニアとか二酸化炭素とかを利用する方法も模索されている、と聞きます。
そう。アンモニアは自然冷媒の一種で、環境には優しい冷媒。これから、技術も進化して、冷媒もいろいろと変わってゆくんだと思います。
が、牛乳工場が「冷やすのが仕事」であることは、今もそしてこれからも、変わりません。「洗う」のと「冷やす」のは、大事な大事な仕事なのであります。
さあ。月曜日。今週も暑さを享受しながら、張り切って仕事仕事!