考古学と水中考古学と歴史〔7229〕2023/01/30
2023年1月30日(月)晴れ!
月曜日。さあ、元気に仕事を始めよう!
という訳で、月曜日の朝は、リラックスモードから仕事モードへ切り替わる、朝。なので少し緊張感のある朝になる訳ですが、日曜日は違います。昨日の日曜日も、早朝会社には来たけど、比較的のったりまったり。部屋の掃除したりトイレ掃除したり、ゆっくり新聞読んだり。
そう。日曜の朝、熱々のホットミルクなんぞを飲みながら新聞読むのは至福の時間。皆さんは日曜の朝、いかがお過ごしでしょうか。
その昨日の高知新聞に、こないだ奈良県にある日本最大の円墳で発掘された、これも日本最大級の銅鏡と鉄剣に関連する記事が、載ってました。橿原考古学研究所の学芸員さんの喜びが、それまでの苦労とともに綴られていた記事。こういう記事は嬉しいね。
以前、某、高知にある国立大学の先生から、興味深い話を聞きました。人文系の学問って、どんどんと国から予算を減らされている中で、考古学を志す若者は結構増えているんだとか。歴史を志す若者より考古学を志す者が多いというのは、やはり、ロマンを感じやすいからでしょうかねー。歴史も地学のロマン満載ながやけどねー。なかなか難しいもんだ
考古学と言えば、こないだ、いつものTSUTAYA中万々店さんで、こんな本を買いました。その名も「水中考古学」。こういうマニアな本が企画ものコーナーに展示してあるTSUTAYA中万々店は、流石だ。
で、このにっこりでも、幾度か書いてきました。例えば瀬戸内海。今から2万年前、今より海水面が100m以上低かった頃の瀬戸内海は陸地で、おそらくはたくさんの旧石器時代人が、暮らしていた。
今、海底に堆積した層の下には、間違いなく旧石器時代人の痕跡が残っているはずやけど、そういうのって発掘できんものなのか。そんな妄想。
我らが浦戸湾も、その堆積した沖積層の遥か下には、旧石器時代人が暮らしていたのではないか。太平洋に面した海岸だと、砂の堆積や海岸流、そして波の影響で、そんな痕跡も破砕されているかも知れない。しかし、静かな湾内の痕跡は、酸素の少ない水の下で今も静かに眠っているのではないか。そんな妄想。
この本を読むと、世界では、沈没船の探査から始まった「水中考古学」なるものが発展していて、日本はその分野ではずいぶんと遅れている、らしい。いかんねー。世界でも有数の海岸線の長さを誇る日本では、もっともっと海底に眠る遺跡に注目が集まっても良さそうなのに。
「沈没船の探査から始まった」と書いたけど、例えば、モンゴル軍がやってきて「神風」で大破沈没したと言われる弘安の役の沈没船調査など、考古学的には貴重な遺跡が多い「沈没船」。
この本では、幕末、龍馬が乗船していて紀州の船と衝突し、沈没した「いろは丸」のことにも触れられてます。鞆の浦沖の沈没現場。「いろは丸事件」は、龍馬が、事故の非は紀州船にあるとして裁判を起こし、積荷であった「ミニエー銃」の賠償などを要求、勝訴したので有名な事件。
現代の目で、その証拠を精査すると、過失が大きかったのはどうやら「いろは丸」らしいとも言うけど、それはそれ。水中考古学として重要なのは、今までかなり行われてきた水中調査で「ミニエー銃」が一挺も発見されていない、という話ね。まだ調査が不十分である可能性もあるけど、最初から載ってなかった可能性も、ある。だとすれば龍馬は・・・そんなことを実証していくのが、水中考古学。
「考古学にはロマンがある」として若者が集まるのもいいけど、それは「歴史」との絡み合いの中で浮かび上がってくる、ロマン。だから、「歴史」分野にも、もっともっと人気が出てもいいのに、などと妄想する月曜の朝。
そんなことより、さあ、仕事を始めなくちゃ。月曜日だ。緊張感のある一日が、始まります。さあさあ張り切って仕事仕事!