行政はどっち向いて仕事するのか〔7151〕2022/11/13
2022年11月13日(日)小雨
なんか、久しぶりの、雨。朝から静かな雨が落ちてくる、高知県地方。
ここは今朝の南国バイパス。昨日はやりました。久々にやりきった感があるほど、やりましたねー。昨日も書いたように、南国・香美・香南酪農振興大会が3年振りに開催されたのであります。本年は南国市が当番なので、会場も南国市。あそこで、やりました。
コロナで、酪農家さんたちとゆっくりお話しする機会も減ってたけどね、やはり生の声を、お酒飲みながら聞くことは大事だと、改めて実感したことでした。
高知は、県の酪農振興担当者さんと、酪農家さんの関係がとても近くて良好。これはもう、全国に自慢できることやと思います。今回の飼料価格暴騰を受けての乳価改定に際して、学校給食用牛乳の乳価も含めて、上がった高知県。実は、こういった「年度途中」の学校給食用牛乳向けの乳価改定は初めてのこと。これが実現できたのも、行政の皆さんが頑張りが大きかったと思ってます。たぶん、全国的に見ても、酪農家さんたちにとって一番良い結果になったと思われる、高知県。
学校給食の場合、年度途中で給食費が上がるのには、難があります。その為、国は、そういった状況に対処できるようにかなりの金額の臨時交付金を準備しました。なので、今回、市町村の担当者さんにはご苦労をおかけしましたが、保護者負担を増やすことなく価格改定を行うことができ、そして乳価を上げることもできた訳で、高知県畜産振興課の皆さんをはじめ、努力された関係各位に、心より敬意を表したいと思っています。
なんでこんなことを書いているのかというと、今回の価格改定に際し、都道府県によって対応がバラバラだったことを伝えたかったから。学校給食用牛乳については、農林水産省が統括し、各都道府県の畜産部局が所管している訳です。で、今回は農水省から、コロナ対応の臨時交付金を活用し、保護者負担を増やさずに学校給食用牛乳の年度途中改定に向けた取り組みをするよう、文書が流れました。とにかく、酪農家さんが、今、とんでもない状況に追い込まれているので。昨日の会合でも、今年、補助金を考慮しなければ、黒字の酪農家って1軒もないという話でした。いや、おそらくは補助金を投入しても、ほとんどの酪農家さんが赤字である、と。
そこで、少しでも酪農家さんの為になることなら、行政の担当者は汗をかかんといかん訳です。恐らくは、高知県の担当者さんは、全国でも一番汗かいたと思います。聞くところの話では、年度途中の改定は無理、と、門前払いだった県とかも多かったようです。
「交付金申請が市町村になるので、全市町村に説明するのは難しい」→丁寧に説明すれば良いだけ。高知県は、手間かけて説明しました。
「要項を改定するには時間がかかるので、無理」→高知県畜産振興課は、県の法務当局と相談して速やかに要項を改定しました。
今、コロナの中で、利用できる補助金がたくさんあります。それを、どこに使うのか。自治体は、それを考える義務があります。そして汗かく義務も、ある。門前払いなど言語道断。
「県庁内部での調整に時間がかかるので、無理」→いそいで汗かいて調整すればいいだけのこと
「議会を通さんといかんので、時間的に無理」→臨時議会を開いてもらえばいいだけのこと
僕は、そう思います。本当に、「だけのこと」。コロナと戦争と円安で大変なことになっている酪農家さんが居る。そして、補助金、補給金は準備されている。ならば、それを活用して酪農家さんの為になることに「汗をかく」義務が、行政にはあるのではないか。高知県は、汗、かきました。偉い。
業会の会合で、なんで高知県はそんなことができたのか、と聞かれたことがあります。その際、冗談まじりで、「高知は、行政担当者と酪農家さんがしょっちゅう飲んでて、関係が深いから」と答えたことでした。でも、これは半分冗談やけど半分は本気。昨日も、あのホテルでの懇親の後、近くの回転寿司屋さんで遅くまで飲みまくりながら口角泡を飛ばしていたのは、気鋭の酪農家さんたちと、県畜産振興課の有能女性Nさんと、南国市の酪農家で市議会議員のSさんと、僕。いやー、飲んだ飲んだ。この濃密さが大事だと思う、今日この頃。
いろんなことを考えさせられ、実感できた会合だったので、ちょいと長文になってしまいました。高知県の畜産部局は、ちょっと、自慢。