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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

ドキュメンタリーと宮田〔7099〕2022/09/22

ドキュメンタリーと宮田

2022年9月22日(木)晴れ

今日も秋晴れ。青い空には秋の雲。気持ちよく仕事が始まります。

この本。中学高校の同級生から頂戴しました。この著者が、その同級生。まだ読み始めたばかりやけど、面白い。さすが、宮田。

彼は中学高校と同じ学校で同じ時を過ごし、感性が近いこともあって、よく一緒につるんで遊んでました。男子中学生特有のマヌケな遊びに興じてたこともあったねー。一緒にヘンテコリンな歌つくったりして。あの「柿食いマンの歌」ってのは、いったい何だったんだろう。

 

このにっこりで触れてきた、いくつかのエピソードも、彼と一緒に体験したエピソードなのでした。例えば、大川村の白滝廃坑へヒッチハイクとかを利用して出掛け、まだ廃坑になって間がなかったゴーストタウンを一緒に堪能したのも、彼。

台湾へ行き、修理屋さんで購入した自転車で一周して貴重な貴重な体験を共有したのも、彼。

人が気が付かないような、それでいて貴重な情報を集めてきて果敢に挑戦するのが好きな少年でした。そんな彼がNHKへ入局し、ドキュメンタリーなどの制作で活躍したのは、学生時代の彼を見てると、十分に納得できることだった。

NHKで彼が作った番組は、また、なかなか特殊でマニアで僕のツボのものばかりでした。毛沢東モノから始まって、仏陀、三波春夫先生の密着ドキュメントや、地中海マルタ島で猫と暮らす人々の話とか、ニホンオオカミはまだ生きていると信じる男性を追いかけるドキュメントとか。そう。彼が手掛けるのは、そこに居る「人間」そのものを描くものが多い。大上段なテーマでドラマチックに、みたいなドキュメントと対極にあるもの。

現在、NHK放送文化研究所でそういった制作のあり方などを提言したりしているらしいけど、そんな中で出版されたのが、この本。

NHKドキュメンタリーの源流ーそれはラジオから始まった」

戦後間も無く、「録音構成」と呼ばれたラジオ番組で、NHKは、占領期の庶民の生々しい声を集め、紹介していったのでした。新橋ガード下の「パンパン」と呼ばれた街娼の声から始まり、宮田自身の表現によれば「戦災で帰ると家と親を亡くした疎開児童」「満員電車の中で仕事をする少女スリ団」「街角のゴミ箱に寝起きしながら人生哲学を語る男」などなど。

表現されているのは、そんな中で生き抜く人間の力強さ、たくましさ。そして、「売春婦問題」とか「孤児問題」とか「車内スリ問題」とか「浮浪者問題」とかの問題意識を提示しよう、などという大上段なものでは決して無く、そこにいる「人間」を記録し、紹介しようとしている姿勢。

 

こんな感じで始まった、日本のドキュメンタリー。

それから70数年が過ぎ、テレビのドキュメンタリーは溢れたけど、そんな視点の番組づくりって、どこへ行ったんだろう。これからはYouTubeなどのネットを利用した番組づくりが多くはなっていくと思うけど、ひとつのドキュメンタリーのあり方を、宮田は示してくれていると思う。いや、僕の、ツボ。さすが、似た感性で一緒に少年時代を過ごしただけのことは、ありますな。久々に彼の仕事に触れることができて、なんか、嬉しくなりました。

僕も頑張らなくっちゃ。


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