地球を救う蛇紋岩〔8356〕2026/03/02
2026年3月2日(月)晴れ
そんな訳で昨日の蛇紋岩の記事。
蛇紋岩は、その美しさから装飾用に使われる、と思われがちやけど、かつて、製鉄の際の不純物吸着材としての需要がありました。円行寺には、田中石灰工業の子会社、田中オリビンさんの広大な採掘場があります。ありました。最盛期、年間120万トンの蛇紋岩を採掘してたというからすごい。で、それほどに豊富な蛇紋岩があるのは、高知市北山や日高村なのであります。
その後、日本の製鉄では蛇紋岩よりもコスパの良い添加剤が使われるようになり、2010年に蛇紋岩を使った添加剤の製造は停止されています。
そんな蛇紋岩を二酸化炭素を固定する用途に使う、という研究が、田中石灰工業さんと「直接空気回収(DAC)」の技術を持つ国内企業が共同で研究を始めている、というのが昨日の記事。
蛇紋岩というのは、アルカリ性が強い鉱物。なので農業とかには向いてないけど、トサミズキやドウダンツツジ、ホウノキなどの独特の植生を醸し出します。アルカリなので。で、アルカリ水溶液は二酸化炭素に反応して炭酸ナトリウムを作る実験があるように、アルカリは二酸化炭素を固定化する訳で、蛇紋岩はアルカリ性で、空気中の二酸化炭素を固定化する働きがあるのであります。
「自然界の蛇紋岩が、数十年、数百年かけて行っている固定化をごく短時間にできる」という技術か確立されたら、地球環境をコントロールできる可能性が生じる訳で、なかなか楽しい話だと思いました。
蛇紋岩は、美しいだけでなく、地球環境を良くする、なんてこんとになったら、とても楽しい。
この地質図で、高知市の北側に東西に延びる濃い青の部分をクリックすると、「超苦鉄質岩類」と表示されます。マントルを形成するカンラン岩が代表的な「超苦鉄質」で、それが水と反応してできたのが蛇紋岩。「田中オリビン」の「オリビン」はカンラン岩のことであり、マントル由来の鉱物に人類が出しすぎてしまった二酸化炭素を吸収してもらおう、という訳だ。
固定化ということは、再び化学反応で酸化し、二酸化炭素排出もできる訳で、要はコントロールできる、という、まあ、夢のある話なのでありました。
蛇紋岩を愛する者としては、これからに期待したい。
