二期作とヒコバエ〔7072〕2022/08/26
2022年8月26日(金)晴れ
持続可能な社会。
今、地球全土で取り組まなければならない課題。昨今のウクライナ戦争に端を発する食糧問題など、持続可能ってなんだろうと、考えさせられる今日この頃。
昨日書いたように、今、国際的な穀物相場の暴騰で、日本の酪農は大きな打撃を受けています。業界の構造的な問題や、政治の不作為の問題がある訳やけど、文句ばかり言うてても始まらんので、できることをやっていくしか、ない。
問題のひとつは、日本の家畜の飼料が、圧倒的に輸入に頼っているという事実ね。北米の安価な遺伝子組み換え作物戦略もあるし、まあ、通常は内外の価格差があり過ぎて、そんなことになってきました。
現況では、購入飼料比率が高い酪農家が、苦労しています。自給飼料比率が高い酪農家は、比較的、まし。まあ、比較の問題で、苦しいのは苦しい訳ですが。
で、将来を見据えての戦略を考えるなら、そして安定供給を考慮するなら、飼料の自給率を高めるのは有用な戦略だと思います。実際、輸入飼料暴騰の中で、自給飼料を生産する、ということの価値が注目されているのであります。
ここは五台山の東。鉢伏山の西。住所で言えば介良丙でしょうかね。
高知は、昔は小学校の社会の教科書にも載っていた「お米の二期作」ができる土地。お米が余って減反政策が始まるまで、高知県内あちこちで行われていた、二期作。この界隈は、二期作発祥の地とも言われてます。そして減反が始まり、量よりも質、風味が重要視されるようになって、急激に減ってしまった二期作。
でも絶滅してません。こないだ新聞にも載ってたけど、一期目は極早稲のおいしいお米を作り、二期目は飼料米、という農家が、少しづつではあるけど増えているようです。持続可能な日本の酪農、日本の農業を考えるとき、飼料米を自給する、自国の飼料米でまかなう、という方向は大切なのではないか。二期目を飼料米にする二期作を広めていく、というのは、有用かも知れない。
ここも、二期作してました。以前訊いたときは、二期作目は餅米とのことでした。飼料米やなかったけど。で、今はこんな感じ。そう。極早稲の稲刈りが終わった後、ここの広大な田んぼには再生稲、ヒコバエが成長しています。おそらくは、稲刈り後の田んぼに手間をかけずにきたもので、そこに生えてきた再生稲に稲穂が実ってきたところで稲穂も稲も全部一緒に機械で刈り取り、サイレージにするのではないでしょうかね。いわゆるホールクロップサイレージ。乳牛の飼料に使う訳だ。違うちょったらゴメンなさい。
自給飼料が注目されている、今。この二期作発症の地で、二期作目にコストをかけない方法で飼料米をつくる、というのであれば、それは高温多湿の高知での持続可能なあり方のひとつかも、知れない。
いろんなことが激変し、社会は不安定極まりないことがわかってきた今、この風景は、日本の将来にとって重要なことを示唆している風景なのかも知れません。