避難タワー考〔7045〕2022/07/30
2022年7月30日(土)雨
久々にしっかりと降ってます。気温もそんなに高くない。県内、場所によってはかなりガイに降るとのことなので、気を付けましょう。今日は中村方面へ、車で走ってます。
ここは中土佐町久礼。くれ。久礼の、八幡様の前の海沿いに立つ、津波避難タワー上で、撮影してみました。眼下に見える、久礼の町。右手には海。階段をてくてく上がって海抜20m。なかなか良い景色。風雨が強くて波がある風景も、なかなかいい。
街中から伸びてくるこのスロープは、街中の人たちが避難してくる通路。命の通路。久礼の町は、かつて、南海地震の津波にも幾度も襲われてると思われます。太平洋にそのまま面し、海岸線が震源地の方向向いてますもんね。そこでいくつかの津波避難タワーがつくられました。
山が迫っている町なので、山に近いひとたちは、山へ逃げればいい。役場も、最近、山の上に新築されたし。でも海に近い方々はそういう訳にも参らんので、避難タワー。
しかし、狭い町の中では、避難タワーを建設するスペースがそうそうある訳ではなく、このタワーは海岸に建てられました。
そうすると。この避難タワーを利用する町の人たちは、地震が発生すると、海に向かって逃げることに、なる。津波がやってくる方向へ逃げる、というのは、かなり心理的に抵抗がありますよね。
そこで池田町長が考えたのは、普段から開放し、散歩のルートや憩いのスペースとして利用してもらうこと。普段から慣れ親しんでもらうことで、海側へ逃げる心理的抵抗を軽減する、というプランね。これはなかなかいいことだと思いました。さすが。
幾度か書いたことあるけど、高知の海岸近くにたくさん建設された津波避難タワー、普段から上れるものと、上れないもの(非常時に扉を破って上がる仕組み)があります。どうやらこれは、市町村の判断に任せているみたい。弊社のある南国市には15ヶ所ほどの避難タワーが建設されたけど、どれも、普段から上がれます。でも、お隣の香南市とかは、ダメ。上がれません。津波の高さ想定で有名になった黒潮町とかも、上がれない。
おそらくは、普段から開放していると、上でワリコトする若者が出現したり、子供が遊び場にして危なかったり、みたいなことを想定してるんでありましょう。
しかし、いつも開放している南国市で、そういう事例で困った、みたいな話は聞いたこと、ありません。もちろんここ、土佐久礼でも。
そんな訳で、中土佐町の判断はなかなか優れものなんではないか、と思う訳です。ただ、ここは抜群の景観。この上で「おきゃく」したくなるけど、それはダメ。ここの壁面に「タワー内は禁酒・禁煙 ゴミは必ずお持ち帰りください。」という貼り紙。気持ちはわかるけど、いけません。そんなルールだけを守って、普段から慣れ親しんで欲しい、津波避難タワー。