「畜魂碑」は、着々と〔6888〕2022/02/23
2022年2月23日(水)薄曇り
「動物慰霊碑」や「動物塚」というのは、日本独特の文化、習俗みたいですね。日本統治時代の名残りとして、台湾とかでは現在でも行われている、という話もネットには出てきますが、本質的には、日本人のメンタリティというか、宗教観というか、そんなものの発露であるように見える「動物慰霊碑」「動物塚」。
動物だけではなく、「筆塚」とか「箸塚」「包丁塚」とかいった道具に対しても、同じように「供養」するという習俗があるのも、たぶん日本独時のもの。
命をいただいている動物はもちろん、道具にも魂とか想いとかが宿っていて、その役割を終えた後に感謝し、供養する。これは、日本人にとってなんの違和感もないし、スンナリと受け入れられるメンタリティだったりも、します。
築地へ行くと、立派な「波除稲荷神社」というお宮さんがあります。そもそもは、その名前からもわかるように、江戸時代、江戸湾を埋め立てる際に工事が無事に捗ることを祈願した神社。そこに巨大な卸売市場ができたので、その境内には、築地でお世話になっている生き物を供養する塚がたくさんできておりますね。
すし塚、海老塚、鮟鱇塚、活魚塚、玉子塚、昆布塚、蛤石、などなど。「すし」が生き物か、というと微妙やけど、その考え方は、わかる。
築地は昭和になってからやけど、そういった、お世話になった生き物や道具を供養するという習俗は、もっともっと昔からあったと思われます。いつ頃からあったのかは知りません。今度調べちょきます。
で、我々の業会では「畜魂碑」。大きな牧場とか、畜産試験場とか、大学の農学部とかには、必ずといって良いくらい「畜魂碑」が建立され、「畜魂祭」が開かれたりしていること、ご存じでしょうか。
ただ、乳業メーカーでは、「ミルク」という、生命そのものではない取り扱い商品の性質上、「畜魂碑」を建立して「畜魂祭」をやってる、という話は、あんまし聞いたこと、ありません。
しかし、考えてみると、「ミルク」も命そのもの。牛さんの「命」を、牛さんの「生きる力」を頂戴しておることには変わりはない訳で、この度、ひまわり乳業でも「畜魂碑」を建立することにしたのであります。牛さんへの感謝の気持ちを込めて。
気持ちを込める、ということから、すべてを業者さんに任せるのではなく、台座は社員さんたちの、手作り。Excelで方眼をつくって牛の絵を転写し、その方眼の図面をもとに、白と黒の小さなタイルを貼ってつくった台座。以前にも書いたですね。で、本日、その上に鎮座する「畜魂碑」本体が、到着します。さすがに、これはプロにやってもらいました。
本日、まもなく、この上にやってくる「畜魂碑」。
その「畜魂碑」に、文字通り魂を入れる「「畜魂祭」を、近々、執り行いますので、その際に、皆さんにお披露目しましょう。今日は、ここまで。
ホルスタイン種とジャージー種の乳牛さんたちに、感謝の気持ちを込めて。