「イモネノホシアサガオ」が食べれたら〔6732〕2021/09/20
2021年9月20日(月)晴れ
敬老の日だって。そろそろ、敬ってもらう資格を獲得してきたと思われる今日この頃。ああ。僕が街を歩いてて、道端の石を観察してたら、「初老の不審な男性が石を睨みつけていた」とか言われるんだろうか。ああ。それはちょっとイヤ。イヤなので、今朝は石ではなくて花を観察してみました。
写真は、今朝、会社の、僕の部屋の窓から見た外の風景。
以前、ヤギの「ひーちゃん」と「みーちゃん」を飼ってたときに作ったヤギ小屋は、今は物置みたいになって窓の外にたたずんでます。その元ヤギ小屋を覆う、紫の花の植物。よく見ると、向こう側のフェンスにも延々と繁茂しておるではないか。
以前はこんなには無かったのに。調べてみました。
北米南部原産、ヒルガオ科サツマイモ属の、外来植物。そう。こんなの、僕らが子供の頃には見なかった。調べてみたら、日本で初めて確認されたのは1975年で、香川県観音寺市でのこと、らしい。
漢字で書くと「芋根の星朝顔」。なんか、美しいぞ。美味しそうだし。
根っこが芋になってるサツマイモ属、ということで芋が食べられそうにも見えるけど、どうなんだろうね。アサガオの根っこは食べられんしね。僕が大学時代に所属していた野草を食べるサークル「なべの会」でも、この植物を見たこと、ない。当時はまだ、今みたいに一般的に見られる植物ではなかったのでありましょう。もし、当時も今のように分布が広がってたら、伝統ある「なべの会」では、その芋が食用可能か毒があるのか、食用可能ならどんな味がして、どのような調理に向いておるのか、といったエビデンスが上級生から下級生に受け継がれておっただろう。
近年になって、あちこちで目立つようになってきた「イモネノホシアサガオ」。なかなかの繁殖力で、今やどこででも見かけますな。花はそんなに不快でもないのであんまし騒がれんけど、外来種としてはかなり成功した部類に入るんだと思います。まだ、侵略的外来種、という訳ではないけど、なかなか侵略してきてます。
こうやって蔓で伸びていくのって、あっという間に広がりますもんね。以前にも書いたけど、北米では、日本から持ち込まれた「葛(クズ)」が、侵略的外来種として猛威を奮ってるそうで、人や物の移動がグローバルになってきた時代は、なかなか大変だ。
地球が、今のようにたくさんの大陸に分かれていなかった時代がありました。プレート運動で、幾度も合体と分裂を繰り返してきたと言われてて、一番最近の合体した時代、つまりパンゲア大陸という超大陸があった時代は、今から3億年前から2億年前にかけて。現在のユーラシア、北米南米、アフリカ、オーストラリア、南極などが全部くっついた一つの大陸になっていたというから、すごい。
で、何が言いたいかというと、そういう時代には、生物の多様性が著しく減少していた、という話。生物の進化と淘汰が、世界が一つ、というグローバルな環境の中で、多様性を喪失していったのでした。
つまり、何が言いたいかというと、現代のように生物がグローバルに往来するようになると、たぶん、生物多様性は、大自然の摂理として、失われていく、という話ね。
北米に繁茂する「葛」も、日本で広がる「イモネノホシアサガオ」も、その植物自体に罪はない。
外国で侵略的外来種に指定されてる日本原産の植物には、「葛」「ワカメ」「イタドリ」があるんだって。僕ら日本人からすれば「食べればいいのに」と思うけど、なかなか文化や食生活は、植物のようにグローバルには広がらないのね。
「イモネノホシアサガオ」が、もし、美味しく食べれたら。誰か調べて欲しいねー。でも日本でこれだけ広がっているということは、食べれんのでしょう。たぶん。もし、毒はなくて、風味や食感だけの問題なら。イタドリを獲りさらばえてしまうほどの食文化を持つ僕ら高知県人が、なんとかしたいところだ。知らんけど。