先人の名前、木村会館、仙台屋桜〔6730〕2021/09/18
2021年9月18日(土)晴れ!
台風一過。良いお天気の高知になりました。被害に遭われた方に、心よりお見舞い申し上げます。
さて。こないだから、人名のついてる施設とか地名とかのこと、書いてきました。ロンドン、ソーホーのパブ「JOHN SNOW」のことがきっかけになって。そうしたところ、にっこりを読んで下さった高知在住のYさんという方から、旭にある「木村会館」のことを教えて頂いたのであります。そう。高知市の旭市民図書館や高知市旭文化会館などが入っている「木村会館」。
ソーレに用事があって行った際、駐車場から出てきたら正面に「高知市木村会館」とあるのは、気付いてました。そこが、木村久寿弥太さんが寄贈された場所、ということは、今まで、浅学にして知りませんでした。Yさん、ありがとうございます。
「高知県人名事典」によると、木村久寿弥太さんは、1865年に赤石町の田岡家に生まれ、叔父の木村漸の養子になり、東京帝大を卒業後に三菱で活躍、総理事まで勤め上げた三菱の功労者。かの有名な文筆家、田岡嶺雲さんの実兄なんだって。すごい人物。で、高知市旭町三丁目にあった邸宅が高知市に寄贈され、昭和12年から「木村会館」となって、今に至るとのこと。いや、知らんかった。世の中、知らないことだらけ。
で、その木村久寿弥太さんと田岡嶺雲さんが生まれたのは、木村会館から東へ500mの、この場所。今はそのことを刻んだ碑が、仲良く並んで立ってます。おう。仙台屋桜の所ではないか。
仙台屋桜。
牧野にある仙台屋桜について書いたのは2008年だから、もう13年前になります。とにかく藩政期、仙台から高知へやってきた佐伯さんという人物が「仙台屋」という屋号で商売を始め、その店の庭に、仙台から持ってきた桜を移植したんだとか。で、その桜が美しいので、山内の殿様に献上していたという話も、あります。かの牧野富太郎博士がとても気に入り、「仙台屋」の桜ということで愛したとのこと。で、そんな縁で、五台山の牧野植物園には、苗木なのか接木なのか知らんけど、立派な「仙台屋桜」が今も花を咲かせている訳だ。
その仙台屋があったは、旭の中須賀。で、その界隈には今も、何本かの仙台屋桜が植ってて、この公園にもそのうちの1本が、春になると花を咲かせて近在に人々を楽しませているんだそう。
もうひとつ。
僕の母校、高知市立追手前小学校が廃校になる際。最後の校長先生から、追手前小学校にも「仙台屋桜」がある話を聞きました。9年前のこと。どういう経緯で追手前小学校に「仙台屋桜」がきたのか、調べたい、という話でした。まだ、追手前小学校があった時に撮影したこの写真は、今となっては結構貴重かも知れません。
結局はたぶん謎のまま、追手前小学校は廃校になってしまったと思う。あの「仙台屋桜」は、伐採される予定だったけども、残して欲しいという願いに応える形で、今もここに、残っています。
そしてもうひとつ。
今から9年前、皇居の外周の三宅坂上に、高知市から植樹された仙台屋桜があるのを、見つけてます。先人の名は、こうやって広がり、残されてゆく。
木村久寿弥太さんの話、木村会館の話から、仙台屋桜まで行きついてしまった、台風一過の朝。Yさん、ありがとうございました!
良いお天気の、週末。