アマゾン川とネグロ川〔6703〕2021/08/22
2021年8月22日(日)
どんどん行こう。コロナでどこにも行けないシリーズ。
40年近く前に仕事をし始めてから、会社に行かせてもらった外国のご紹介。今朝は、ブラジル。そう。僕は、まだ若い頃、有難いことにブラジルへ行かせて頂きました。
当時、まだ元気だったある全国一の売上を誇る量販店さんが、ブラジル産オレンジの、100%果汁のジュースを発売して話題になってました。それまで日本では、ポンジュースみたいなのしかなかったのが、バレンシアオレンジ100%果汁でかなり安価に登場したので、日本国民に衝撃を与えたのであります。
我々乳業にもかなり衝撃的な事件だったので、業界誌が主催して、オレンジ果汁生産の現地、ブラジルを視察しよう、ということになった訳です。
興味を持った十数社が参加していたと記憶します。
想像を絶する広さのオレンジ畑。そこで大型ダンプカーの荷台に満載されたバレンシアオレンジが、ダンプが土砂を降ろすように、果汁工場の巨大コンベアへ、オレンジを滝のように落としていく。そしてその巨大工場で完全自動化された夥しい数の搾汁機でみるみるうちに果汁になり、巨大な冷凍タンクへ貯蔵されていく様には圧倒されました。みなの感想は「こりゃ、敵わん」。ちんがりちんがり、みかんをハサミでちょん切ってカゴに入れ、ちんがりちんがり日本の搾汁機でやってたら、コストでまったく敵わない、という感想でした。で、結局、そのときにブラジルをアテンドしてくれた商社さんを通じでその工場で搾汁したオレンジ果汁を仕入れ、長い間、オレンジジュースとして売りましたねー。
今は、またまた社会が変化してきて、果汁飲料がなかなか儲けさせてくれんなっているので、中小乳業でもやってるところは少なくなりました。時代の流れ。
で、工場はサントス近くにあったんですが、せっかくブラジルまで来た、ということでアマゾンの観光を入れてくれてました。サントスから飛行機でマナウスへ。アマゾナス州の、マナウス。
当時はすさまじいインフレで、マナウス着いて、銀行でドルからクルゼイロに交換しようとしたら、その銀行の紙幣の在庫がなくなりかけた、という嘘みたいなことも、ありました。
マナウスでは、やはりジャングル観光。
小さな船を貸し切って、黒い流れのネグロ川へ。そしてすぐにアマゾン川に合流する訳やけど、その二つんの川は、混じらない。これ、有名なんですね。こんな感じ。ネットもない時代で、僕らはそんな観光ポイントも知らんかった日本人。ビックリしました。
ネグロ川は、よく見ると、コーヒーみたいな暗褐色。これは、タンニンの色と教えてもらいました。今なら僕にも理由がわかります。この上流は有機物の少ない石英だけの地質。微生物が住まないような地層。そこに、ジャングルの植物が落ちても、微生物がいないので分解されない。腐らない。そのままの状態で、植物からタンニンが溶け出し、暗褐色の流れになっている、ということ。延々10km以上混じらない奇観は、今も観光ルートになってるようですね。
船の上で食べたピラニアやナマズ、まあまあでした。汁の色が茶色いのは、川の水を使ってるから。つまり、タンニン。そんな貴重な経験をしたのは、もう、30年も前のこと。