ゆるぐ〔6651〕2021/07/01
2021年7月1日(木)晴れ
Facebookって、何年か前に投稿したのが表示される機能がついてますよね。
昨日、8年前の6月30日に撮影した写真が表示されて、そんなこともあったなー、と思ったことでした。「静かに静かーに」街道の話。
今はもう営業してない「蘇鶴温泉」。そかくおんせん。冬のおでんとか、夏のトマトとかが美味しく、昭和の雰囲気満載の温泉、蘇鶴温泉。以前にも紹介したように、明治の文豪馬場孤蝶さんが帰高した折に、芸妓さん連れて遊びに行ったという日記が残る、蘇鶴温泉。
おう。そのこと書いたのも、8年前の6月30日だ。そこには、温泉の建物内に掲げられちょった蘇鶴温泉の由来を転記してます。今となっては貴重な転記。
その蘇鶴温泉も、2016年のいつだったか、営業をやめてしまいました。残念。世の中、どんどん変わってゆく。変わってゆくけど、ビックリするくらい変わらないものも、ありました。昨日のFacebookに表示された、8年前の風景。
蘇鶴温泉の近く。小さな川を渡る橋に掲げられた看板。
「ここは地盤が軟弱のため 家がゆるぎます 静かに静かーに お渡り下さい。」
あの看板、このにっこりで初めて紹介したのは、2004年2月14日。もう、17年以上前。工事の看板みたいなので、てっきり仮設看板みたいなもので、すぐ撤去されるものかと思ってました。ましたねー。ところが、その後、何度そこを通っても掲げてある。しかも8年前に発見したように、その近くに、もうひとつの「静かに静かーに」看板。その看板は今もあるのだろうか。
あそこまで行って確認するのは大変なので、Googleのストリートビューで確認してみよう。
あった。ありました。ストリートビューにも、ちゃんと写ってます。近くの「静かに静かーに」もね。
風景に中に溶け込んで、何年経っても変わらない看板。今もちゃんと残ってました。静かに静かーに街道、健在なり。蘇鶴温泉がなくなってから、通ることがなくなったので、しばらく確認できてませんでした。
ところで、地盤。そんなに地盤が軟弱なのか。
地理院地図で確認しよう。なるほど。地形分類で見ると「後背低地・湿地」。砂や礫がほとんどなく、泥が堆積してできた土地。だから、地盤は緩い。だから「ゆるぎ」ます。
家が「ゆるぐ」。これは土佐弁という訳ではなくて、辞書にも「揺るぐ」で載ってる表現。
こないだ、荒倉峠から朝倉側へ旧街道を下ってきたところに、「ゆるぎ岩児童遊園」というのがありました。その横にはチャートの巨岩、揺岩。ゆるぎ岩だ。地理院地図だと揺岩。
ストリートビューで見てもわかるように、なかなか「ゆるぎ」そうにもないチャートの巨岩。やけど、どこが「ゆるぐ」んだろう。地盤見てみると、「静かに静かーに」街道と同じ、「後背低地・湿地」の端っこやけど、地質で言うと、山。つまり地面から生えてるチャートだ。ではなぜ、どこがゆるぐのか。謎だ。調べてみんといけません。
ともあれ、まだあの看板は残ってて、今も家が「ゆるぐ」ので、静かに静かーに通らんといかんのも、変わっていないのでした。
まあ、どうでもいいような話ですが・・・