小歩危駅と緑色片岩〔5976〕2019/08/26
2019年8月26日(月)晴れ
昨日の日曜日、高知へ帰ってきたら涼しかった。いや、一週間前とは比べものにならない涼しさ。もう、夏はいってしまうのか。夏休みも最終盤のツクツクボウシ。宿題は終わったかな?
今日は月曜日。午前中、高松でお仕事があるので、そちらへ向かってます。朝4時に出勤し、ふた仕事くらい済ませてから、車で。僕の好きな早朝の国道32号を走っております。
高知の平野はよく晴れ渡ってましたが、四国山地の真ん中にやってくると、朝靄に包まれて柔らかい空気が流れていました。
ここは小歩危駅。JR土讃線、小歩危駅の、西側の山から撮影した風景。左下からは吉野川の流れる音が聴こえてきます。まだ早いので、国道を走る車も少なく、人は誰も見かけません。なんか不思議な感じ。
ここは、以前にもご紹介したけど、あるSFダークファンタジーというジャンルの映画の舞台になってます。この、Dustという映画。四国の山中でロケをおこなったというSFダークファンタジーで、これの6分47秒くらいのところに、この駅舎の風景がでてきます。汽車も駅舎もそのまんま。
さすがにWELCOMEとかJR小歩危駅とかの看板は外されてるけど、そのまんま。
こういった雰囲気、外国人には珍しくて受けるみたい。僕らにとって普通の風景に、非日常感を感じるのでありましょうね。
三波川変性帯。吉野川河口から阿波池田、大歩危小歩危、石鎚山、佐田岬半島と、三波川変性帯はつながってて、緑色片岩が特徴的、という話は以前にも書きました。徳島城の石垣とか眉山の石とか、緑色片岩でできてます。1億2000万年前~6000万年前、海底の海溝で付加帯となり、圧力で変性した、片岩。
片岩で石積み、というのは、高知の街中ではあまり見ないもの。うまく組めるのだろうか、強度は大丈夫だろうか、と思うけど、なかなか強い石積みができるらしいね。
写真右端、山の斜面に石積みが見えるけど、これにも緑色片岩、使われてます。この上に畑、そして民家があって、その石積みの主役は緑色片岩。
日曜日の夕方、世界遺産の番組、やってますよね。昨日は、アイルランドの孤島、シュケリッグ・ヴィヒルを紹介してました。面積0.18平方キロの、天に突き出すように聳える孤島。岩山。そこに、588年、修道院が建てられ、修行の地として利用されてきた、といいます。
断崖の上に、石組みの建物。厳しい気象条件にも関わらず、倒壊もせずに残ってきた石のドーム。よく見ると、その石は片岩だ。
片岩でも、いや、片岩だからこその利用の仕方で、頑丈極まりないドーム型の建物を作っている訳だ。その風景を見て、徳島城の石垣や、大歩危小歩危界隈の石積みを思い出し、今朝、小歩危駅での撮影に至ったという訳だ。
そんな訳で、緑色片岩は、四国の山中では、大昔から石積みに利用され、人々の暮らしに溶け込んできました。Dustを観ると、民家の石積みは、緑色片岩。ちゃんと、四国山中でロケをしてるのが、石を見てもわかるよね。
さあ。これから国道32号を走って高松。今週も頑張って仕事仕事!