無形民俗文化財の謎〔5690〕2018/11/13
2018年11月13日(火)雨
パブロフの犬。梅干しを見ると、唾液が出る。
人間、ある境遇に置かれると、意識せずにやってしまうこと、あります。いや、パブロフは犬か。違う違う。パブロフは実験をやった博士なので人間で、使った動物が、犬だ。
どちらにしても条件反射。
僕の場合、雨が降ると、お参りしたくなる神社があります。野市、大谷神社さん。その鎮守の森には雨が良く似合う。条件反射というのではなくて、これは好き好みの問題かも知れんけど。
そんな訳で、出勤途中、お参りしてきました。雨の大谷神社さん。その参道入口、鳥居の脇に、香南市教育委員会が建てたこのような説明板。
同じ場所に以前立っていたのが、これ。内容としてはほとんど同じ。
違うのは、最後の箇所だ。
今の説明板は「市の無形民俗文化財に指定されている。」
2010年4月に撮影した説明板には「町の有形民俗文化財に指定」とある。
そう。この説明板は謎にあふれているのだ。
現在の説明板には「平成十六年三月三十日指定 香南市教育委員会」とある。でも、野市町が他の町村と合併して香南市になったのは、平成18年だ。平成16年以前はどうだったのか。どういう経緯で改めて16年に指定されたのか。野市町と香南市の関係は。謎が深まる雨の森。そして、以前の説明板は「有形民俗文化財」だったのが、今は「無形民俗文化財」。
でも、指定されている内容を見ると、どう考えても「無形」だ。
幾度もこのにっこりでご紹介してきた「内容」とは。
夏大祭での「古式祭」は、パンツ一丁五人の裸男が甑で蒸した飯にみそ田楽を添えた五膳を深夜本殿に供える古くからの祭り、と書いてます。
この、下帯でも褌でもない「パンツ一丁」の裸男が、なんとも不思議でした。このお祭りは非公開なので、今も、僕に取っては謎に包まれたまんま。そんな謎めいた雰囲気満載の森が、雨によく似合うのかも知れません。
ここに出てくる「甑」は、あの、蒸すやつね。古式で蒸したご飯に、お味噌。
こないだ鹿児島へ行っていた際、そこの乳業メーカーさんが、甑島で採取される海洋深層水を使った発酵乳を作ってられました。甑島の学校給食も、そのメーカーさんが供給。その甑島の名称は、島に、甑の形をした巨岩があって、それを甑大明神として崇拝したことに由来するそう。その甑島産のうにを使った「うにみそ」というの、買うて帰って食べました。とても美味しかったです。
甑島のうにみそ。甑で蒸した飯と、みそ。似てますね。関係ないけど。
夜明け前、雨に濡れる鎮守の森には、神聖は空気が満ちていました。そんな空気を思い切り吸い込んで、さあ、今日も仕事仕事。