台風一過の氏神さま〔5647〕2018/10/01
2018年10月1日(月)台風一過
台風一過。秋の空。
昨日吹き荒れた台風は、吹き飛ばされた夥しい木の枝などを残して飛び去ってゆきました。風がエラかったので、被害に遭われた方もいらっしゃると思います。心よりお見舞い申し上げます。
ここは野市、上岡八幡宮さん。朝、4時半過ぎの拝殿前。台風で吹き飛ばされた木々の枝や葉っぱが散乱してます。でも、ここは、熱心な氏子さんが毎朝お掃除されている。もう、今はキレイになっていると思います。本当にご苦労様です。ありがたいこと、ありがたいこと。
こういった地域の産土神は、大昔から、地域の紐帯として、地域の人々に尊崇され、守り育てられれてきました。今日から10月。朔日参りの方が、今日もたくさん訪れることと思います。
現在の御祭神は、応神天皇、神功皇后、姫大神。八幡さまですきんね。日本国中にたくさんたくさん鎮座まします八幡さまの御祭神は、応神天皇と神功皇后。そして姫大神(比売神)。宇佐八幡宮でも、御祭神は応神天皇、神功皇后、そして比売大神。おんなじ。八幡大神=応神天皇で、比売大神=宗像三女神。神功皇后は、応神天皇のお母さん。
石船伝説に彩られ、物部氏の匂いがするこのお宮さん。いつ頃から八幡さまになったのかは、よくわからない。
平凡社の「高知県の地名」によりますれば、このお宮さんに合祀されているのは四柱の神様。
山神社・岩戸神社・竃戸神社・伊気神社。
山神社は、文字通り山の神様。坂東眞砂子さんの小説では、山の神様はとても重要でした。
岩戸神社は、たぶん天照大神でしょう。天岩戸から出てきたのは天照大神なので。
竃戸神社は、台所の神様であり、家内安全、火除けの神様。生活には欠かせない神様ですな。三宝さんとも呼ばれ、あの三宝山のてっぺんにも、竃戸神社、鎮座まします。
伊気神社。神母神社。畝丘樹下神社。ぜんぶ、いげ神社と読む。農業、豊穣の神様ですな。高知県では各所に「おいげさん」が祀られてます。
この四柱の神様が合祀されたのはいつなんだろうか。
ひょっとしたら、南方熊楠が大反対運動を行った、明治末期の神社合祀政策によるものだろうか。国家神道の権威を高め、特定の神社の充実を図るため、全国の小さなお宮さんを、大きな神社に合祀させていく政策のこと。特に酷かったのは桂内閣の内務大臣、平田東助。どこ向いて仕事してるの?という人物。この、文化の破壊行為には反対が多かった。真っ向から反対運動を展開したのが、南方熊楠先生でございました。
県知事の資質、判断によるところも多かったこの政策、三重県では9割の神社が廃されてしまったというから、酷い。和歌山県や愛媛県も、酷かった。高知県では、それほどではなかったけど、やはりその影響からは逃れられてません。
今度、オーテピアに行く(テピる、と言います)とき、調べてみたいですね。
ちなみに、現在、人口当たりの神社の数では、高知県は全国一なんだそうです。お寺さんの数が少ないので、廃仏毀釈運動のときは熱心に行われ、神社合祀政策にはあまり熱心ではなかった、ということなのかな。
世の中の空気や、時の権力に迎合しない。流されない。自分というものをしっかりと持って、よく考え、行動しよう。