この風景と牛乳のおいしさ〔5593〕2018/08/08
2018年8月8日(水)晴れ!
今日も、暑い。よさこいも近づき、高知の夏もいよいよピークを迎えます。昨日、今日と、県外からの大切なお客様が来られてます。この暑いのに、本当にありがとうございます。
ひまわり乳業の工場は年中無休。盆も正月もありません。
しかし。昔、僕が入社して工場で製造やっていた頃は、お正月の殺菌充填はありませんでした。あの頃、正月三が日に開けるお店も少なくて、お正月の街中は、しーんっと静まり返っていた。
そのかわり、年末の慌ただしさときたら、なかなか大変なもの。大晦日まで商店街は大賑いで、大橋通りなんぞは歩くのも大変なくらいの人出でした。そんな時代、正月分の商品も製造するので、年末の工場の忙しさは大変なものでありました。
ただ、お正月には殺菌充填が止まるので、原乳がタンクに入りきれなくなる。乳牛さんには盆も正月もなく、毎日朝晩搾乳しますので、原乳はキチンキチンと工場へ入ってくるのであります。殺菌充填しないと、タンクに入らなくなる。そこで、原乳を濃縮しておいて、巨大なドライヤーという機械で粉ミルクにする。粉乳というやつね。粉乳にすると、長期の保存が可能になります。ただ、「牛乳」に戻すことはできないので、その粉乳は、コーヒー牛乳や乳飲料の原料に使うことになる。そうやって、需給調整をやってました。
入荷する原乳の量は、牛さん次第。なので、余った原乳は粉乳などにして、うまく需給バランスを取っていくのが、乳業メーカーの大切な使命なのでりました。
お正月に出勤するのは、原乳を受け入れる係と、粉乳を製造する係だけ。静かな静かな工場だった。当時はご自分で原乳をトラックで持ち込んでくる酪農家さんも多く、原乳を持ち込んだ後は、工場の片隅で酒盛りをやっていた、あの頃。
今は、お正月からお店が営業していたりして、すっかり風景も様変わりしてしまった。なので、年末にお正月分の商品をまとめて製造したりすることもなく、年がら年中、同じように、原乳を受け入れ、殺菌充填し、出荷する。365日。それが、生乳の新鮮さを大切にしようとする乳業の宿命であったりするのであります。
本当においしい牛乳を、皆様にお届けする。そのために頑張ってくれている皆さんには、本当に頭が下がります。
そんなこんなの、早朝の牛乳工場。
この充填室でも、早朝からたくさんの従業員さんが、新鮮な生乳を可能な限り新鮮な状態でお客様にお届けするべく、頑張っております。だって、牛乳は、新鮮であれば新鮮であるほど、つまり、搾乳してから時間が経ってないほど、おいしいに決まっているから。それは、僕らの信じる絶対的真実。本当です。
そのおいしさを実現している、この早朝の風景。みなさん、本当に、ありがとうございます。
写真は、工場の見学通路から見た充填風景。この商品は、お客様のプライベートブランド。その商品が充填機から出てくるのを、そのお客様と一緒に確認する、早朝の牛乳工場。
本当の牛乳のおいしさは、この風景の中にあります。