一瞬の未経験〔5565〕2018/07/11
2018年7月11日(水)晴れ
昨日、梅雨明けが発表されました。あれだけ降った後に梅雨明けと言われましてもね。なんか、釈然としないものが残ります。増水した香宗川で流された、牛乳販売店の方、四万十市の海岸でご遺体が発見されたとのこと。弊社販売店ではありませんが、お父様はよく存じ上げております。人の世話ができる、素晴らしい人格者です。同業者として、言葉もありません。心よりお悔やみ申し上げます。
昨日は、広島県三原市へ行ってました。水の応援。
道路状況は少しづつ改善され、昨日は、四国から三原市までは高速道路も全通してましたし、国道も順調に流れていたので、4時間ちょっとで行けました。
街の風景は、一見すると平穏に戻っているかのよう。でも、よく見ると、あちこちで浸水の痕や斜面が崩れた箇所があります。そして断水。
断水は、飲み水や料理に使う水がない、という生活を強いられます。そして、風呂に入れない。何より困っているのが、トイレ。そんな非常に不便な状態が、1週間くらいは続きそうとおっしゃっておられました。本当に大変です。貴重な貴重な、水。
やはり、風呂のお湯は、入浴後も抜かずに溜めたままにしておかんといかんですね。改めて、思いました。
昨日は三原市で作業が終わったのがお昼過ぎ。お腹空いたので、市内のコンビニへ寄ってみましたが、おにぎりやパン、惣菜など、食事になるものは一切無し。壁際の冷蔵ケースは、真っ白い空っぽのオブジェ。東からの物流は復旧しつつありますが、広島市方面からの物流復旧はまだまだで、どのお店でも品薄状態が続いているようでした。
高知でも降りましたが、今は、ほとんど平常生活が戻っているのに比べて、あまりの酷さに愕然としてしまいます。ニュースで見るのと、現地で体感するのでは、全然違いました。
三原市だけでなく、各地に広がる被災地の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
復旧作業は大変ですが、酷暑の中、くれぐれも身体にお気をつけください。
写真は今朝の会社の裏手の物部川。
一昨日朝の風景に比べると、水量も落ち着いてきました。まだ、かなり増水してはおりますが。
川底の地形、変わってしまいました。目の前の中洲に、それを横切る流れが新たにできました。左側の流れも少し変わってます。
地理院地図の、最近の航空写真はこれ。地図はこれで、地図は航空写真と一致します。
1974年頃も、今とそんなに変わりません。
僕が生まれた頃も、基本的な流路は変わらない。
戦後間も無くに撮影された航空写真が、これ。高解像度で見て見ると、基本の流れは変わってない。
と、すると、新しい中洲縦断の新しい流路ができた今回の増水は、近代物部川にとって、歴史的な増水であったのかも知れません。確かに、会社裏手の河川敷の上を濁流が流れる風景は初めて見ました。
とは言え、僕らが知っているのは最近数十年のこと。
この何百年の間に、物部川は、幾度も氾濫を起こし、流路を変えてきている。江戸時代の「亥の大変」のことは、幾度か書いてきました。
「経験したことのないような大雨」は、最近経験していないだけで、地球の歴史の中では一瞬の未経験。それを忘れてはならないと、思いました。