台風の後の美しい風景〔5306〕2017/10/25
2017年10月25日(水)晴れ
またまた太平洋沖に台風。もう、いらんね。
農業用ハウスやら牛舎やら堆肥舎やら資材置き場やら。県内での被害はかなり大きい。風はとても強かったですが、中でも、竜巻のようなものが吹き荒れた地区もあったようです。場所によって、かなりの強さのバラつきがある。
昨日、高知大学医学部の北側の山上にある斉藤牧場さんへ行こうとしました。日本の山地酪農の聖地、斉藤牧場。かなりの被害があった様子なので。
いつも通る南側の道は夥しい倒木が道をふさいで通れない、と聞いていたので、北側に回り込んで白木谷小学校の方からの細い道を軽四で上がってみました。いくつかのルートを試してみましたが、結局断念。行き着けず。
昨日夕刻に、南側の道が重機によってなんとか切り開かれ、小さい車なら通れるようになったとのこと。今朝、集乳を再開しました。でも、復興作業にはかなりの時間と手間がかかります。昨日から、被害の大きい牧場などに、弊社の社員さんたちが手伝いに行ったりもしてますが、なかなか大変です。
写真は今朝6時の上岡八幡宮。昨日は参道入り口からの写真でしたが、今朝は拝殿前から参道方向を撮影。
昨日、夥しい木の枝などを集める作業をされていた氏子さんが、今朝も一人で黙々と、作業をされてます。今日は朝から用事があって香川県坂出市に行かんといかんかったので、お手伝いできず、心苦しい思いで参拝してきました。本当に頭が下がります。
今朝はもう既に、散乱していた樹々の枝や葉っぱなどは幾箇所かに集められてました。それをカゴに詰めて、軽トラに乗せる作業を黙々と行う地元の氏子さん。
なんか、ミレーの絵画みたいだ。ありがとうございます。
有名なのは「晩鐘」とか「落穂拾い」とか。
今思い出した。生まれ育った与力町の社宅の1階。「晩鐘」の絵の複写が額に入れて飾ってあったぞ。ああ。懐かしい。あの絵を連想したんだ、この写真で。
「晩鐘」は、フランスの農村地帯で、農民の夫婦が教会の鐘に合わせて祈りを捧げる場面。農民の、貧しいながらも敬虔に、真面目に生きて行く姿が描かれている。
ミレーが描くその神々しくも美しい風景の中で、人間の営みというものを感じさせてくれる絵なんだと思う。子供の頃は、そんなこと、全然考えもせんかったけど。
「晩鐘」の農民夫婦の思いと、この写真の氏子さんの思いには共通するところがあるのだろうか。あるのかも知れない。
「晩鐘」の一神教的信仰心と、神社のアニミズム的信仰心は全然違うものだ、という考え方もあると思う。けど、自然に対する感謝、厳粛な気持ち、そういったものは、人間が人間である証として、共通しているのかも知れません。
自然は時々、我々に対して牙をむく。
従容として受け入れ、時に理不尽と思える神に再び感謝し、また、前を向く。そんな、人としての有りようを、ミレーの絵もこの写真も、教えてくれるのかも知れない。
台風の後の、美しい風景。