上岡、恒星、惑星、宇宙〔4986〕2016/12/09
2016年12月9日(金)晴れ
良いお天気。夜明け前の美しい星空。
ここはいつもの野市、上岡。上岡の集落がある台地の下。たぶん、有史以前、宝永の南海地震津波よりも大きな津波は、ここまで遡上してきて台地に跳ね返されたと思われます。
この右手をまっすぐ行くと、八幡様。南海地震が発生したら、八幡様へ逃げよう。
左端の下に見える赤い灯りは、高知空港。
太平洋戦争末期、米軍機は、この上岡の上空から、あの飛行場方面に降下していきながら攻撃したと言います。上岡山にトンネルが掘られたのは、それを迎え撃つ為でしょうか。上岡の集落は甚大な被害を受けました。
遥か向こうに見える、三つの瘤がある山。鉢伏山と、小富士山。古い古い信仰の山ですが、太平洋戦争末期には、山中に、陸軍第11師団の師団本部が置かれ、トンネルや壕が掘られて要塞化工事が行われておりました。米軍の上陸作戦に備えて。
この、なんでもない美しい風景の中に、かつて、戦争があった。昨日で、真珠湾攻撃とマレー半島コタバル上陸から75年。
上岡から西の空を見ると、冬の星座。もう、西に沈もうとしている冬の星座だ。夜明け前の空では、もう、冬は終わろうとしています。
左手に冬の大三角形。左端にシリウス、上にプロキオン、右手にオリオン座のベテルギウス。オリオン座は、もう、半分以上西に沈んでしまった。
写真の一番上には双子座のカストルとポルックスが、並ぶ。
右手の家々の真上にはぎょしゃ座。右端がぎょしゃ座のカペラ。
冬を代表するような星々が、この画面に全部写っています。
透き通る空気の向こうで、キラキラと瞬く星々。恒星は、瞬き、惑星は瞬かない。これは子供の頃から、そう教わってきましたよね。地球の大気の関係で、と。
しかしよく考えてみると、惑星であろうが恒星であろうが、地球の大気を通して見ていることには違いはない。なのに、何故、恒星は瞬いて惑星は瞬かないのか。
恒星は遠いので、目で見える実際の大きさが、とても小さい。小さいので、地球の大気の密度の違いによって、目に届く光量に変化があり、瞬く。惑星は、望遠鏡でみたら大きく見えるように、実際に見えている星の直径が、大きい。大きい面に太陽光が反射している。面が大きので、大気の密度変化で光量に違いが出ても、しっかりと我々の目に光が届くから。わかったような、わからんような。まあ、そんな理由にかありません。
星と言えば、今、宇宙飛行士のジョン・グレンさんが95歳で亡くなったというニュースが飛び込んできました。1962年、アメリカ人として初めて地球を周回した宇宙飛行士、グレンさん。世界で初めては、もちろんソ連のガガーリンで、彼は若くして訓練中の事故で亡くなってます。
世界で初めて、女性として地球を周回したのは、同じくソ連のテレシコワさん。1963年のこと。テレシコワさんは、現在、まだ、79歳でご存命。今から丁度10年前、ロシアのバイコヌール宇宙基地へ、乳酸菌をソユーズで打ち上げるのに立ち会いに行った際、すぐ近くでテレシコワさんに会いました。あの頃は69歳だったのか。とても元気そうで、関係者に取り巻かれていて、人気者でした。
そして、今、グレッグ・レイクが亡くなったというニュースも。グレッグ・レイクと言えば、ELPですが、僕にとってはキングクリムゾンだ。「21世紀の精神異常者」の衝撃。あのアルバムの「エピタフ」でグレッグレイクが歌う歌詞。あの、今の世界を示唆するようなすごい歌詞が印象的。
ジョン・グレンも、グレッグ・レイクも、この、星が煌めく宇宙に戻っていきました。