カミキリムシと地球の未来〔4782〕2016/05/19
2016年5月19日(木)晴れ!
良いお天気。今朝、野市、上岡八幡宮さんの拝殿に、なんかキレイなカミキリムシ。
この社殿には夜も灯りが点いちゅうので、虫が寄ってきます。昆虫や蜘蛛などの節足動物が多いですよね。
昆虫。虫。節足動物の歴史は、我々脊椎動物の歴史より古いですよね。何億年も前から地球上で生きてきた、節足動物。
生物が、小さな菌から大きくなってきたとき、その大きな身体を支えたり外敵から身を守ったりする構造がいくつか採用されてきた。
軟体動物は、貝殻みたいな防御施設を発達させて、その中で暮らすことで捕食されるのに対抗した。
節足動物は、外側に硬い構造を持つことで大きくなり、また、捕食に対抗した。脊椎動物は、内側に骨のような支持構造を持つことで、大きくなることができるようになった。
さて。
結局のところ、脊椎動物の構造が、この地球上で一番大きくなることができる構造となった訳だ。あくまでも、結果的に。
昆虫みたいに外側の構造で生きていこうとする場合、重さとの兼ね合いもあって、何メートルにもなることはできない。しかも、呼吸器官の問題があって、大きくなりすぎると酸素摂取に障害が起きて、大きくなれない。
そんな中、節足動物などが巨大化したのが、3億年前を中心とする石炭紀だ。
石炭紀は、地球の歴史の中で一番酸素が多かった時代。シダ類の巨大な樹木が登場し、リグニン、セルロースでその構造を支えるようになった。しかし、その時代にはリグニンなどを分解できる細菌がほとんど居らず、倒木は分解されずに地中に残る。二酸化炭素が地中に固定された、と言うこと。で、酸素濃度がどんどん上昇。
現在の酸素濃度は22%くらいだが、石炭紀には30%を超えたと言う。
酸素濃度が高くなると、生物は、巨大化する方向へいくにかありません。色んな理由が考えられるが、こないだ読んだHPでは、幼虫期の酸素摂取によるもの、という説が唱えられちょりました。
幼虫にとって、多すぎる酸素は、毒になる。酸素は、体表面から摂取している。そこで、大きくなることで、体積に占める表面積の割合を減らすことが可能となり、酸素の毒から逃れられるようになる。幼虫が巨大になると、成虫も巨大化する、という説なんですね。なるほど。
石炭紀には、1mを超える巨大サソリが森を跋扈し、2m近い長さのヤスデが生態系の頂点近くに君臨していた、と言う。すごいっす。
しかし、それ以上、つまり、恐竜みたいになることはなかった。物理的に、無理なんですね。なので、ゴジラは有り得ても、モスラヤエビラは、地球上では無理ということになる訳だ。
ちなみに現代。カミキリムシ。
南米に生息するタイタンオオウスバカミキリは、触角を除いても20cm近くになる、と言います。う〜ん、デカい。脊椎動物が20cmでも、全然大きくないが、昆虫が20cmになると、これはデカい。
1mもの昆虫がおったりしたら、ちょっと、近づきたくないですよね。昆虫でなくても、ムカデとかヤスデの巨大なのは、もう、論外。
現代は人間のせいで二酸化炭素濃度が上昇していて、温暖化が進む。それによって大量絶滅がおこり、人類を含む多くの生物が絶滅してしまったとしよう。そして、その時点で鳥類が生き残って世界の覇者になったとしよう。
そこで酸素濃度が上昇すると、鳥類の中から巨大化するものが生まれ、恐竜のようになって、生態系の頂点に立つ。大きな脳みそが発達し、文明を創り、鳥類文明というものが現れる。
考古学で、かつて、哺乳類の一部が文明社会を築くものの、自分たちの行為によって自滅し、絶滅していったことが判る。
その轍を踏まないよう、新しい地球の覇者は、知恵を使って長く長く、巨大化した太陽のせいで生存できなくなるまで、繁栄する。
カミキリムシを見ながら妄想が暴走する朝。