丑三つの杜、神々しい大元神社境内〔4248〕2014/12/02
2014年12月2日(火)晴れ
今朝は冷え込むにかありません。今、朝の4:20なので、これからまだ冷えていく時間帯。今日の日中も気温が上がらん、冬のような予報になっちょります。
写真は、今朝、2時半過ぎの大元神社さん。安芸市の赤野の小高い山中に鎮座まします、古いお宮さん。草木も眠る丑三つ時の境内は、拝殿に明かりが灯り、深淵にして厳粛な雰囲気に溢れておりました。
この大元神社さんのネキで酪農家を営んでおられるのが小松さん。小松さんは、四国でも有数の、乳質の良い酪農家さんとして有名なんですね。
実は、明日から、関西地方を中心に大規模に展開されておられる量販店、平和堂様の、高品質プライベートブランド「E-Wa」として、弊社が製造する「乳しぼりをした日がわかる低温殺菌牛乳」が発売されるのであります。なので、今月から、この小松さんの生乳も、「乳しぼりをした日がわかる低温殺菌牛乳」に使用することになりました。
丁度、今朝は、こないだご紹介した「フードアクションニッポンアワード2014」での流通部門優秀賞受賞に関して、テレビ高知さんの取材がありまして、その集乳現場を撮影しよう、ということになり、ご案内して行っちょりました。
バルククーラーから生乳をタンクローリーに吸い上げゆう間に、お隣の神社に行ってお参りしてきました。
夜と朝の間。世の中が一番静かになる時間帯。森に囲まれた幽玄な境内。一人で静かにお参りするのは、なかなか良いものです。
大元神社さんは、赤野集落の産土神。安産、疫病にご利益がある、とされます。
その創建はよくわかっちょりませんが、馬路村中ノ川、薬師堂蔵の鰐口銘に、「応永三十三年正月廿五日、安芸郡和食庄赤野大元常住」とあって、1426年には、既に成立しちょったことが判っちょります。珍しい、北向き神社。
お宮さんやお地蔵さんなどのお堂は、基本的に、北向いて建てられませんが、たまに、敢えて北向きに建てられたりしちゅう場合があって、「北向き地蔵」などと呼ばれたりします。
大元神社さんは、赤野の沖の太平洋を航行する船が神威を恐れるため、社殿を北向きにした、と伝えられちゅうそうです。
祭礼では獅子舞が有名で、県指定の無形文化財にもなっちょります。
この写真の右端。巨木の影が見えますでしょうか。巨大な檜。樹齢は600年とも。その檜の北側に、これまた巨大な自然石の手水石。天保10年(1840年)に、赤野川の上流から氏子さん達が引き上げてきたもの。どうやって引き上げたのか、不思議に思えるくらいの巨岩。
それで思い出したのが、春野、荒倉神社さんの巨大な手水石。以前にもご紹介しました。あの巨岩も、根木谷から4kmの道のりを氏子さん達が運んできたとされます。それも天保11年。
この大元神社さんの手水の巨岩が天保10年。
どうやらその当時、巨大な自然石を手水石にすることが流行っちょったがにかありません。
因みに、春野、荒倉神社の手水石は、述べ20000人が20日かけて木遣り歌に乗せて運び、それはそれは賑やかやったと記録されちょります。完成の祝いに3石5斗の餅をばわし、酒も2石振舞うた、と言います。
ここ、大元神社さんの手水石をこの境内に引っ張り上げた際にも、賑やかな祭礼が行われたことは、容易に想像できます。そして、美しく掃除された境内は、今も、氏子さん達に大切に尊崇されゆうことを伺わせてくれます。
丑三つの杜。静かな境内。