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今日のにっこりひまわり 毎日健康社員日記

やぎり考〔4048〕2014/05/16

やぎり考

2014年5月16日(金)快晴!

良いお天気。今日は関西方面出張につき、朝の特急南風に乗っちょります。南風社内で、美しい朝の風景を眺めながらひねもすのたり、このにっこりひまわりを書きよります。
田んぼの緑が、かなり濃ゆくなってきました。梅雨入り前の、生命感溢れる緑が目に心地良うございます。

写真は今朝の市内某所。高知駅へ向かう途中に撮影しました。ヒトんくを勝手に撮影しちょりますき、場所の詳細は申し上げられません。高知県人にとっては懐かしさ極まりない「やぎり」。この、屋根の上に木造でしつらえられた物干し台を「やぎり」と呼ぶのは、全国的なのでしょうか。それともローカルワードなのでしょうか。少なくとも、ネットで検索してみたら、高知以外で「やぎり」と使用する用法はでてきませんでした。

「やぎり」で検索してヒットするのは。もちろん「矢切」。「矢切の渡し」。葛飾柴又から松戸へと、江戸川を渡る部分に、藩政期からある渡し。今も、観光用の渡し船が往来しゆう、と、書かれちょります。ですきに、日本国民、「やぎり」と聞けば矢切の渡しを思い浮かべるのが普通。
しかし、高知で「やぎり」と言えばコレ。
こないだ、Facebookで「やぎり」のことを話題にしてみましたら、「矢切の渡し」は「やぎりの私」で、「やぎり」の上の私のことであると思い込んじょったという高知県人がおりました。
屋根の上に、非常に簡単な構造でしつらえられた木造の構築物。そこへ上がっていくのは、なかなか危険な木造の急階段。しかし、一旦やぎりの上に上がると、そこには360度のパノラマが広がり、お日様は差しまくるは、風は吹き抜けるはで、洗濯物がアッという間に乾いてしまうという優れもの。それが「やぎり」。
子供の頃、友達の家にあった「やぎり」の上に上って、遊んだりしよりました。周辺に高いビルなどが無かった時代。「やぎり」は、展望台のようなもの。天体望遠鏡を買うてもろうた小学生が、初めて天体観測をするのも「やぎり」の上でした。

しかし、これを「やぎり」と呼び始めたのは、ひょっとしたらそんなに昔のことではないかも知れん、ということがわかってきました。FBへの、小生の同級生タベシマ君の書き込み。彼の家は、国分川沿いの田辺島の旧家。なんでも、長宗我部重臣の福留隼人の家来であった家系とか。古いことをよう知っちょります。彼の書き込みを転載しましょう。

(以下転載)
(この写真の構築物は)田辺島やったら、「餅ばらすき、屋根に”やぐら”こしらえちょっとうぜ、ほんで、そのまんま物干し台に使うき、しけで飛ばんようにしちょっとうぜよ」と、いう感じの物。同じく田辺島での”やぎり”は、田舎のよっぽど古い家にしか残っちゃあせんけんど、とぶくらより内側にある木造のベランダのこと。自分の見解では、文治のいうところの”やぎり”は昭和以降になって新しい建築になって市内からはじまった造語で、自分のいう”やぎり”は明治か藩制期くらいに土佐の一部で使われよった造語じゃなかろうか。
(以上転載)

いかがでしょうか。つまり、古老の話では、この、高知県人が一般的に「やぎり」と呼ぶものは、実は「やぐら」で、「やぎり」とは、昔の家にあった、戸袋より内側の木造ベランダのことである、という話。なるほど。

それはそれとして、我々世代の高知県人にとって「やぎり」は、やはりコレ。これほど典型的な「やぎり」は、もう、ほとんど見かけんなりました。「やぎり」の中の「やぎり」。いつも前を通る街中に、この「やぎり」は鎮座しちょります。が、最近まで気付きませんでした。
ヒトは、目の前の風景しか見ていない。普段、上の方は目に入っていない、ということがよく解ります。

皆さんの家のご近所には、やぎり、残っちょりますか?


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