零戦、七人みさき〔4046〕2014/05/14
2014年5月14日(水)曇り
今日は、会社の、小生の机の上。こないだうち入手して読んだ、貴重な本。「零戦」。
この本は、昭和27年に初版が出版されちょります。著者をご覧下さい。かの、零戦設計の主務者、堀越二郎さんと、元海軍軍人の奥宮正武さんの共著。
堀越二郎さんは、ジブリの映画のモデルにもなっちょりますので、ご存知のことと思います。で、奥宮正武さん。以前にも少し書きましたが、高知県出身。航空参謀として活躍し、終戦時は大本営海軍参謀、海軍中佐。戦後、自衛隊に籍を置き、航空自衛隊の学校長などを勤めた人物。
こないだも書いたように、奥宮という姓、土佐では、色んな重要な場面にでてきます。藩政期中期に「谷陵記」などを書いた奥宮正明さん。そして、勤王の志士の思想的バックボーンとなった奥宮慥斎さん。この正武さんも、同じ係累かも知れません。全員、本名には「正」がついちょりますき。
零戦。零式艦上戦闘機。
この本では、日本の航空機がどのように開発されていったのか。そして、一時期、その戦闘力や航続距離で世界の度肝を抜いた零戦が開発されていった経緯などが、それこそ当事者によって克明に書かれちょります。
そして。日本が、あの無謀な戦争に突入していったことに対する反省や批判も盛り込まれ、技術者や軍人の矜持が描かれております。文章には、一切の奢りがない。
群を抜く性能の戦闘機をつくりあげ、その、当初の華々しい成果を述べながら、それによって苦しめることになった「アジアの同胞達」に対する謝罪の視線も忘れてない。
零戦のことを書いた本には、その戦闘性能や技術力が日本から生まれたということへの誇りに終止したものが多いのはご承知の通りですが、まさに当事者が書いたこの本には、その栄光と挫折、反省などが盛り込まれちゅうのでありますね。
まず、工業力などを総合した国力に圧倒的な差があった、アメリカに対する宣戦の無謀さ。成功体験から離れられず、米軍がどんどんと進歩していた技術や戦法を真剣に学ぼうとしていなかった上層部。いかに零戦とは言え、徹底的に研究され、弱点を洗い出し尽くされた末、どんどんと不利な状況に追い込まれて行った、そのホントの理由。などなど、まさに「栄光と挫折」を、正直に、奢ることなく書き記しております。名著。
その本の左手のチラシ。
今月21日から25日、東京、東池袋の「あうるすぽっと」という所で催される演劇のチラシ。シアターキューブリックさんとおう劇団の「七人みさき」という演劇。
丁度3年前、2011年5月、長宗我部元親の人生を綴った「誰ガタメノ剣」という演劇の高知公演がありました。高知での演劇公演としては大成功。小生も、その公演には関わりましたが、実に面白かったです。東京の劇団なので、東京での公演の後、高知での公演となった訳で、演劇などという文化に触れたこともなかった(もちろん小生も含め)多くの元親好き、歴史好きの土佐人が、こじゃんと貴重な体験をさせて頂きました。
で、今回の「七人みさき」。
元親後継を巡っての争いから残虐な悲劇が生まれた事実、そしてそれによって生まれた「七人みさき」という伝説を、シアターキューブリックさんによって演劇化したもの。と、申しましても、小生も、もちろんまだ観ちゃあしませんので、詳細はわかりませんが。けんど、期待できます。かなり。
そして、何と、その「七人みさき」のパンフレットに、「土佐の魅力 元親の魅力」という駄文を、何故か小生が書かせて頂いちゅうのであります。ああ、恥ずかしい。
会場へ行くと、ひょっとしたらリープルにお目にかかれるかもしれませんので、お近くの方、ぜひ、行ってみてください!
今朝は、どこへも行かず、乱雑な朝の机の上をご紹介しました。