一年振り、三嶺〔4014〕2014/04/12
2014年4月12日(土)曇りのち小雨
丁度一年ぶり。三嶺に登ってきました。
去年の4月13日に登って以来。いやあ、あの時は、アズリました。下山途中、さおりが原の公衆便所に閉じ込められ、こわいことトイレで遭難するところやった、あの事件。そうか。丁度今時分やったか。
三嶺は標高1893m。四国山地の主脈に聳えちゅうので、冬の間は結構な積雪。なので、雪山をやってない小生にとっては、今くらいが丁度山開きの季節、ということになる訳です。
午後には帰って来んといかんかったので、早朝、家を出発。車でビュンビュン大栃へ。大栃を抜け、物部川上流の上韮生川沿いにどんどんどんどん遡り、支流の尾根の斜面をクネクネ上がっていくと光石登山口。今日もこっからスタート。
お天気は、曇り。青空は見えません。が、この大自然は素晴らしい。今日は八丁小屋からフスベリ谷沿いの道を、山頂までまっすぐ上がりました。いやあ久々なので、脚力が落ちちゅう落ちちゅう。駆け上がるように飛ばしよったら、頂上が近づいてくる急斜面ではふうふうぜえぜえ。いかんですね。冬山にチャレンジするには、この夏、登る筋力を鍛えちょかんといけません。
こないだ、三嶺周辺では、自衛隊も動員しての、鹿捕獲大作戦が行われました。結果はどうやったがでしょうか。もっともっと、持続的にやらんといかんでしょうね。捕獲作戦の効果で減ったかどうかは定かではありません。しかし、今日も出会いました。
三嶺へ登ると、今までも、必ず1頭か2頭くらいの鹿には遭遇しよりました。が、今日は3頭。頂上に近い、青ザレのところにおりました。
鹿害は深刻。樹々の樹皮を食べちゅう痕跡もいっぱいあります。樹皮を食べられた樹が、枯れてしまうそうです。その他、希少価値のある植物がどっさりの三嶺の自然は、鹿によってかなり食べられてしまいました。持続的に、大掛かり小掛かりを取り混ぜて、やっていかんといかんでしょう。
さて。まだ、北側の谷とかには雪渓。登山道にも、いくらか雪が残ります。頂上周辺は冷たい風。登る途中は誰にも逢わず、頂上も小生一人。大自然独り占めの贅沢。下る途中で、おんちゃんの単独行と、カップル一組とにすれ違いました。本日の遭遇者、3名。
風が強いので、頂上近くの雪の残る岩陰に隠れて朝食。お湯を沸かしてカップそば。
最近、登山家の文学や事績、南極や北極の探検記を読みよりましたが、暖かい食べ物というのは、実に大事ということがわかります。吹雪の中、雪洞を掘ってビバークしても、そこで暖かい食べ物を摂ることができたら遭難しない、と、戦前の大登山家、加藤文太郎さんは考えておりました。
手袋は軍手やったので、汗で濡れたがが冷えてこじゃんと冷とうなっちょりました。痛いくらい。それが、暖かい食べ物を食べた後は、手が痛いくらいに冷たくはならず、徐々に汗ばむくらいになってきます。人間の内燃機関の不思議。食べる、ということがいかに大切か、山に居るとよくわかります。
食事を済ませ、頂上南の急斜面を下り、かやはげへ。雪が残るので、雪の無い斜面を選んで登ります。尾根とか谷とかの地形を読めば、登山道を几帳面に通らいでも楽に行けるルートがあることが、やっとわかってきました。なんちゃって登山愛好家ですき。
当たり前ですが、山は、尾根と谷でできちゅうがですね。山道は、そのどちらかを意識しながらつくられちょります。それを感じながら歩くのは、なかなか楽しいのであります。
さて。今日の最大の目的地、さおりが原が近づいてきました。写真は、その途中で、ブナの巨木の森を撮影したもの。三嶺の真骨頂は、すさまじいまでに存在感のある原生林です。
さおりが原。
丁度一年前に、大きい方の用を足す為に入った真新しい公衆便所。鍵をかけ、用を足し、扉を開けようとすると、開かない。縦横に回すだけの鍵を、いくら縦横にしてみても、ロックされた鍵はビクともしない。防寒着はトイレの外。冷や汗が出ました。で、冷静に見上げてみると、窓がありました。公衆便所、ヒトが出入りする程の窓は、あまり無いのに、そこのにはあったのが幸運でした。よじ登って脱出しましたが、その際、当然鍵がかかったままの状態ですき、誰も入る事はできません。
その状態が、今、どうなっているのか。それを確かめるのが、今日のメインのミッションでした。
結果。
去年、小生が脱出した、そのままの状態で、さおりが原のトイレは、たたずんでおりました。小生が脱出したときに開けた窓もそのまま。
鍵のところには赤。使用中ですよ、というメッセージ。しかし、トイレの中には誰も居ません。その状態は、一年経過した今も、三嶺、さおりが原で続いちゅう、ということが確認できました。そろそろ、管理事務所さんも、なんとかした方が良いかも知れませんな。
そんなことを考えながら光石登山口へ戻り、小雨の中、高知へとモンてきました。
やっぱし山は最高です。今日も大自然独り占めでした。