自動券売機の広島カープ〔3844〕2013/10/24

2013年10月24日(木)広島は雨じゃけえのう
今日は広島。朝5時の汽車に乗ってやって来ました。広島は、静かな雨が降りよります。ここは広島駅、在来線のホーム。うどん屋さんの自動券売機に、「我らのカープ CS惜敗 感動と勇気をありがとう」という貼り紙。そして、頑張れカープうどんの貼り紙。おう。広島カープ。
小生、現在のマツダzoomzoomスタジアムになってから、何度か観戦に行きました。自慢は、松田オーナーと一緒にバックネット裏で食事をしながら観たことがある、という事実。これ、すごいでしょ?
マツダzoomzomスタジアムは市民球場。市民の募金も、球場建設に一役買うちょります。で、以前にも書きましたが、その建設の思想が素晴らしい。いわゆるボールパーク。野球を観るだけではなく、野球を楽しむスタジアム。様々は工夫が凝らされ、実に楽しく過ごすことができるのであります。
このところ、広島カープは長い長いトンネルの中にいました。FA制度や逆指名制度が導入され、お金のある球団が強くなる仕組みになったから。広島カープは市民球団ですので、その経営に赤字は許されない。そういった意味で、実は、松田オーナーというのは凄い経営者やと思います。現在のプロ野球チームでは数少ない、ずうっと黒字を継続しゆう球団が、広島カープ。
しかし、黒字維持のためには、高い年俸の選手は雇えないし、ドラフト目玉選手は逆指名してくれない。FAで選手を獲得したことのない唯一の球団で、しかも、FAで主力選手をどんどんと放出せざるを得なかった球団、広島カープ。
そこで、やむを得ず採用した戦略は、ドラフトでは競合選手を指名せず、これは、という選手を一本釣りで単独指名する、というもの。これには、スカウトの目、能力が絶対条件。そして、外国人選手も、無名ではあるが身長が高い選手を獲ってきます。
何より特徴的なのは、その選手の育成。ドラフトで競合しない、有名ではない選手を、独自のやり方でじっくりまったり育て上げる力には定評があります。
しかし。そうは言っても、せっかく育った主力選手が移籍してしまい、ずうっと、ずうっと、Bクラスに甘んじてきたのはご承知の通り。それが、今年は、初めてのクライマックスシリーズ出場ということで、まあ盛り上がったがです。野村監督の評判もさることながら、松田オーナーの手腕、思想に注目が集まり、一気に評価が高まりました。
一緒に食事をしながら観戦したことのある小生としては、その、オーナーの
考え方や気持ちを存じ上げちゅうだけに、ホントに嬉しゅうございました。やって来たことは正しかった。そして、それを心から喜んだ広島市民の皆さん、広島県民の皆さん。
惜しくも日本シリーズ出場はなりませんでした。しかし、シーズン終盤やクライマックスシリーズで見せたパフォーマンスは、この自動券売機にある通り、広島の皆さん、ファンの皆さんに、感動と勇気を与えたのでありました。
いや、これは一つの社会現象かも知れません。
色んな制約の中、恵まれない条件の中で、信じる事をやりつづけることの大切さ。逆境にめげない意思の強さの大切さ。そういったことを教えてくれた、CS出場やなかったでしょうか。
このご時世の中、不利な条件にあっても工夫と努力で頑張ればいつか報われる、そういった勇気を、カープファンでもなんでもなかった皆さんにも与えてくれた、そんな出来事やったような気がするのは小生だけでしょうか。
ともあれ、この自動券売機の貼り紙のような思いが、今の広島には溢れちょりました。来年の、もう一ランク上の活躍を願う雰囲気が、溢れちょりますね~。
松田オーナーに、心からの祝福の言葉を送りたいと思うと同時に、素晴らしいアイディアをこれからもどんどんと出していって、楽しい野球の世界をつくりあげていって欲しいと、心から願います。