無縁・公界・楽ーひろめ市場〔3812〕2013/09/22
2013年9月22日(日)秋晴れ
秋晴れですが、暑い。暑い日曜日になりました。昨日からお迎えしちゅう東京からのお客さんと、過ごしよります。朝から日曜市を歩きまして高知城。連休ですね〜。なかなかの人出。高知城も、観光客さんでかなり賑わいよりました。
しかし、暑いので冷たいものが飲みたい。てな訳で、ひろめ市場へご案内〜。
ところが。
朝の10時半というのに、もう、かなりのヒト。座れません。この時間にこんな状態やと、今日はすごいことになりそうなひろめ市場。
何とか席を2名分確保して、生ビール。う〜ん、朝っぱらからの生ビール。高知県人で良かったと思う瞬間。ひろめ市場では、朝から飲んでない方が肩身が狭うなります。当たり前のように飲み始めるがが素敵な、そんなひろめ市場。
ビールのつまみに最高なのが、このキュウリ。ひろめ市場では、色んな名物、おいしいものがあります。その中のお奨めのひとつがこれ。キュウリ。それも、このお店のがが絶品ながです。ニンニクと塩とごま油の絶妙なハーモニー。そして普通のキュウリではない、専用の太めのキュウリの食感。
これほどビールに合う食べ物を、私は知りません。
この向かいの方は、小生の大学時代の友人で、某大手メディアのベテラン経済記者。記名で、色んな論説を書きゆう方ですが、その、経済記者の目から見て、このひろめ市場というのは、非常に特異にして素晴らしいものに見えたにかありません。ここだけ見ると、様々な経済指標が全国都道府県47番目であるとはとても見えない。そんなひろめ市場。
確かに、日曜日は観光客さんも多く、外貨を稼げる景気の良い場所に見えます。しかしひろめ市場の真骨頂は平日の昼間かも知れません。朝から、普通にビールのジョッキを傾けるヂモティの面々。この空間と葉牡丹の中だけは、昼間っから飲んでも違和感のない、不思議な空間。
日本には、古来、「無縁」とか「楽」とか言われた、社会の権力構造、階級構造とは独立した、自由な空間が存在したと言われます。以前にも書いた、網野義彦史観。そこへ駆け込めば、女性の方から夫婦の縁を切ることのできた縁切寺もその一つ。また、重罪を犯した者でも、その地に走入すれば、いかに権力者でも統治者でも、その者に手を出す事はできんかった縁切り寺もありました。
そのかわり、そこに駆け込んだものは、俗世間とのすべての縁を切らんといけません。
そういった場、空間が形成され、いわゆる、交易や商業を中心とした都市ができていった日本の中世。
この、ひろめ市場の空間にどっぷり浸かると、そんな、無縁、公界、道々の輩、アジールといった単語が頭に浮かんできてしようがありません。
猥雑で、生命力に溢れ、俗世間の社会構造とは隔絶された異次元空間。
人間の持つ本来の欲求を、自由を求める欲求を、この空間は、満たしてくれるがかも知れません。ここには、日本古来の「都市」の原型が残されちょって、それで、ヒトは、本能的に吸い寄せられてくるがかも知れません。
この友人の経済記者は、このひろめモデルが、他の地位では成立たないことに、強い興味を持っちょりました。そう。こないだの高松もそうでしたが、高知以外ではなかなか成り立たないビジネスモデル。
それが成り立つ高知というのは、実は、すごい場所なのでではないか、という話。中世から各所で栄えた、道々の輩が活躍した「都市」、通常の社会から隔絶された自由な空間が、体感できる場所。それがひろめ市場を初めとする高知の空間ながかも知れません。
と、まあ、朝っぱらから酔っぱらい、友人を見送った後、家に帰って来てからこの文章を書きなぐりよって、今日がJr.2号の運動会やったことを思い出しました。