堀詰、堺町、横山隆一〔381〕2004/05/01
2004年5月1日(土)晴れ
今日から5月ですね。いよいよ初夏に突入ですな。
今朝は高知市内中心部です。電車通り「堀詰(ほりづめ)」界隈から「堺町」方面を撮影してみました。昭和初期頃は、映画館や芝居小屋が立ち並び、とても賑やかなスポットでした。「フクちゃん」で有名な高知出身の漫画家、横山隆一さんが、この界隈について面白い文章を書いてらっしゃいます。
「私は高知市の堺町で生まれた。明治42年で、家の商売は生糸問屋だった。家の前は電車通りで裏は堀川で自家用の釣り舟がつないであった。店の2階はガス燈で店は電燈、裏の母屋は燈油ランプという複雑な文明開化時代で育った。
近くの映画館の世界館も、私の幼少時代はまだむしろ小屋で、仮小屋だった。家の前は、もとはにぎやかだったが、私のおじさんが市会議員で、家の前を電車が通るように運動して、電車が通るようになると急にさびれて、京町や種崎町の方がにぎやかになったと、私の母が言っていた。
私の小学生時代には、高知市には自動車が数台しかなかった。その自動車が走ると、子供たちは自動車の後を追って走った。私も車の後を追って、車から出る排気ガスを胸一杯吸って、文明開化のにおいだと、喜んだ。これまで知らなかった世界だからだ。」