新幹線さくら車内で祭ずしを食す〔3700〕2013/06/02
2013年6月2日(日)小雨
今日は、汽車に乗って、鹿児島へ向かいよります。出張。とは言え、仕事は明日の朝ですき、今日は鹿児島まで移動するだけ。これは気が楽。旅行気分。
朝の特急南風で岡山まで行って、そっから新幹線。さくら。
いやあ、快適ですな、さくら。座席も広いし座り心地も抜群。最近の新幹線はどんどん進化します。ひかりとこだましかなかった時代と比べたら、もう、雲泥。
岡山駅でご覧のような仕入れを行い、さくら車内で寛いじょります。岡山駅と言えば「祭ずし」。これ、もう、昔から定番。実は小生、東京の大学を卒業した後、岡山で一年間過ごしたことがあるがです。その頃から定番でした。祭ずし。
この、桃の形をした弁当箱に入れられたちらし寿司。ままかりとか穴子とかが岡山らしさを演出します。
この、弁当が入っちょったボール紙の箱の裏面に、この「祭ずし」のことと「岡山の駅弁 事始」という文章が書かれちょります。ご存知でしたでしょうか。なかなか興味深い読み物。
なんでも、池田の殿様が、藩政期を通じて、しょっちゅう質素倹約のお触れを出したにも関わらず、岡山の町人たちは、色々と屁理屈をこねては、結局のところ食べ物については贅を惜しまんかった、というお話。岡山では、「備前の喰い祭礼」と言うて、家々で工夫してこさえたちらし寿司を祭りで振る舞うがが楽しみやったそうです。その内容も、どんどんエスカレートして豪華なものになっていったということ。
そんなちらし寿司は、「岡山寿司「ばら寿司」と呼ばれよったがを、この弁当業者さんが「祭ずし」と名付けて、ロングセラーになっちゅうという訳です。なるほど。
ところで。
この新幹線は「さくら」。この「さくら」という名称の列車は、過去、いくつもありました。まあ、有名ながはブルートレインの「さくら」ですな。鉄っちゃん垂涎。東京を16:30分に出発すると、ずうっと西進して、九州長崎に翌日の11:51着。楽しそうな寝台特急です。乗ったことはありませんが。
戦前になると、東京と下関の間を走る急行として「櫻」というのがありました。
新幹線というのは、その愛称を、過去の列車から取ってきちゅうがが多い。ご承知の通り。九州新幹線で使われゆう「つばめ」は、戦後、東海道新幹線ができるまで、東京と大阪の間を8時間で走りよった特急。国鉄のシンボル。その名称が、九州新幹線で復活した訳です。
国鉄のシンボルは「つばめ」。で、かねやんが活躍したプロ野球の球団は、国鉄スワローズやったのでありました。今でもヤクルトスワローズ。
最初にできた新幹線「ひかり」の名前が、戦前の満鉄、南満州鉄道の急行の名称からきちゅうがはご承知の通り。釜山から新京まで走りよった急行「ひかり」。
で、各駅停車の新幹線は、高速より遅いのは音速ということで「こだま」。
その後、「ひかり」よりも速い新幹線、ということでできた「のぞみ」も、満鉄の急行の名前。同じく釜山〜新京の急行。あと、上越新幹線にある「あさひ」も満鉄急行の名前にありますな。
おっと、今調べよったら、上越新幹線に「あさひ」は無いなっちゅうがや。知りませんでした。
満鉄で一番有名なのは、なんと言うたち特急あじあ。元々満鉄は広軌で、国内より大きく速い汽車が可能。日本の優秀な鉄道技術者がこぞって満鉄に入り、その技術の粋を結集したがが「あじあ」。しかし、そんな大それた名前の列車が、これから日本を走ることはないでしょうな。
そんなこんなで、もう、九州に入りました。小倉を過ぎましたが、あとたったの1時間40分で鹿児島。なんという速さ。
便利にはなりました。
なんか、ありがたみに欠けますねえ。便利だけ追求しよったら、いつか、痛い目に遭いそうな。まあ、仕事で行くがには便利ですが。
高知の観光キャンペーンに「わざわざ行こう」という言葉があります。これ、結構好きです。わざわざ行った先に、素敵な感動がある。同じものが、しゅっと行ける場所にあってもありがとうない。求めちゅうのは、その先にある非日常ですきんね。