上岡山の避難路には灯りもつきました〔3618〕2013/03/12
2013年3月12日(火)晴れ
昨日は、あちこちで震災に関連する行事が行われました。あの記憶を薄れさせることなく、来るべき大地震に備えんといけません。
テレビで、津波の被害に遭われた方がおっしゃっていたのが印象的でした。「あんなに恐ろしい目に遭うたのに、少しづつ、それが過去のものになり、危機感が薄れていく感じがする。あんなに恐ろしい目に遭うたのに。」
直接、被害に遭われた方でも、時間の経過が危機感を薄れさせている、ということ。直接被害を受けてない我々は、よほど真剣に考え、気持ちを持っていかんと、いざというとき大変なことになる、という話です。
寺田寅彦先生がおっしゃった意味が、よくわかります。
ここは今朝の野市、上岡八幡宮さんの山。上岡山。上岡は神の岡。おそらく太古の昔から、神の棲む山として、信仰されてきた山でしょう。そして、おそらく太古の昔から、津波や物部川氾濫の際には、人々が避難してきた山、命山であったでしょう。
以前もご紹介しましたが、ここの避難路が完成に近づいちょります。このようなスロープもしつらえられ、頑丈な手すり、階段、そして照明。この照明の電源、どうしゆうがやろうと思いましたら、頂上に、ソーラー式の小さな発電板が設置されちょりました。これで、真っ暗な夜間でも安心して避難して来れます。
どうなんでしょうか、この、安心感。標高30mちょっとの小山ですが、このスロープを登ると、非常に安心できます。山という重量感のある物体の、どっしりした姿。これが、すごい安心感を与えてくれるのでありましょう。鉄筋コンクリートで構築された避難タワーなどに比べると、安心感が違います。
津波で流されることが決してない、何がぶち当たってきても壊れない、そして、いざとなれば避難路からだけではなくてどっからでも登れる。万が一津波に流されても、この山の斜面に流れ着いたら助かる。
そんな安心感。
今、各所の山に、こんな避難路が整備されゆうと聞きます。これは大切なこと。こうやって上がってみて、実感できます。完成したら、ザンジ、避難訓練せんといかんですね。
そして、これは自然の山ですけんど、人工的にもこんな山を構築し、命山とすることの有効性を確信します。もちろん避難タワーやシェルターも、有効でしょう。その地域地域の条件に合うた、避難の方法、施設があるはずです。また、費用対効果も考えんといけません。
この上岡山の避難路を上がってみて、今一度、命山の大切さを実感しました。