残るとうれしい昭和〔3312〕2012/05/10
2012年5月10日(木)晴れ!
やっと快晴。景色は霞んではおりますが、晴れちょります。黄砂でも朝靄でもないこの霞みは何なんでありましょうか。
さて、今朝の高知新聞に、終戦から現在までで、高知市内で営業しよった映画館はシネコンを除いて46館にものぼる、という記事が載っちょりました。そうですね、映画は娯楽の王様でございました。
子供の頃、ゴジラは帯屋町の東宝へ、ガメラはその西のMSへ、まんがまつりやらは当然その南の東映へ、胸を膨らませて観に行きました。ディズニー映画はとでん会館。あの、映画を観に行く高揚感は、今の子供達には想像できんでしょうね。ちょっと可哀想な気がするくらい、映画は興奮するものでありました。
もちろん大人も、映画へ行く、というイベントが生活の中では特別のもので、やはり、娯楽の王様でした。
東映まんがまつりの割引券とかは、確か学校で配ってもろうたりしました。赤と青のセロファンを貼っためがねを渡され、東映で観た仮面の忍者赤影。映画のまっ最中、画面の中の赤影が突然カメラ目線でこちらを向き、「さあ、みんな、その眼鏡をかけて僕たちを応援してくれ」といった内容の台詞を喋ったのにはビックリ。それをかけると、画面が飛び出して見えるという3D映画の元祖みたいな仕掛けになっちょりました。色々ありましたですね。
MS劇場が火事で焼けたときはショックでした。
その後、旭の名画座も閉まり、シネコンの登場とともに、街中の映画館はアっと言う間に姿を消していったがはご承知の通り。
街中で、映画館の痕跡を体感できる場所があります。
2005年6月2日のにっこりと2010年9月15日のにっこりでご紹介した「さえんば劇場」の廃墟。バックナンバーでご覧になってみてください。今は駐車場に利用されよりますが、ハッキリと、そこが映画館であったことがわかります。今朝、まだ、そのままの状態で存在することを確かめてきました。
市内で営業しゆうのは、こないだ幕末太陽伝を観に行ったあたご劇場。この週末も、興味深い映画を上映してくれます。シネコンでは絶対に味わえん、映画館の雰囲気を、また楽しみに行きたいと思います。
そして、市内にはもう1館。ピンク映画専門の「小劇」が、奇跡のように残っちゅうのであります。すごい。
この情報社会の中で、ピンク映画専門の映画館がある、ということは、間違いなく奇跡でしょう。以前にも書きましたが、小劇は、子供の頃、松渕川公園でやった東京かくれんぼで鬼が行って帰って来る場所のひとつに設定されちょりました。
今朝はこんな感じ。上映しゆう期間は、もちろん、ピンク映画のポスターが貼られちょりますが、今はやりやあせんにかありません。
閉館した訳ではないと思います。また、思い出したように上映してくれると信じちょります。残るとうれしい昭和が、ここにもありました。