真知子巻きとヘップ履き〔3283〕2012/04/11
2012年4月11日(水)雨
「君の名は」で思い出すのは「真知子巻き」。昨日書きましたように、ラジオドラマ「君の名は」が大人気を集め、その放送時間になると銭湯の女湯がガラガラになる、という伝説を生んだがは昭和27年。あまりの人気に、翌昭和28年、松竹によって映画化されたがはご承知の通り。で、そのヒロイン真知子を演じたのは岸恵子さんでございました。
その映画の中で、真知子が巻いちょったマフラーの巻き方が「真知子巻き」として大流行したのであります。
どうやって巻くのが真知子巻きか。首に巻いたあと、頭や耳を覆うようにすっぽりとかぶってしまうのが真知子巻きのようです。ネットで調べてみますれば、その映画を撮影する際の北海道ロケの時、あまりの寒さに岸恵子さんがマフラーをそのように巻いて防寒しよったがが、映画本番の中でも使用された、というががきっかけのようです。
お洒落な大女優は、おおの冷やい、というてしでかした行動も、サマになってお洒落であった、ということがわかります。その辺のおばちゃんがやっても、真知子巻きにはならんかったことでしょう。
「真知子巻き」と同じように、映画からファッションとなり、そのまま習俗となったもの。それは「ヘップ履き」。「へっぷばき」と読みます。
ひまわり太郎の母親が、そう言いよりました。女性のサンダルのことを。この単語も、原典はどうかに関わらず、かなり全国津々浦々に流通したようです。ヘップ履き。
その原典につきましては、母親から教えてもらいました。昔、かのオードリーヘップバーンが、映画の中でサンダルを格好よくお洒落に素敵に履いちょったのを見た日本の女性が、それに飛びついて、サンダルを履いて外出するがが大流行したそうです。ですきにヘップ履き。
お洒落なサンダル、今で言うとミュールのようなものがそもそもやったとは思うがですが、そのうち、サンダル全般をヘップ履きと呼んだりするようになった地方もあったようです。ちゃんとした靴屋さんで売りゆうというよりも、近所の雑貨屋、荒物屋の店先にぶら下げて売られよったヘップ履き。
オードリーヘップバーンと言えば、ローマの休日をはじめとする映画に出演し、そのキュートで美しゅうて格好良い姿で世界中を魅了した女優さん。圧倒的な存在感でした。そのヘップバーンさんも、日本の雑貨屋さんにブラくって売られゆう草履に自分の名前が冠されちゅうということご存知やったでしょうか。