木星と金星と土星と南海地震〔3074〕2011/09/15
2011年9月15日(木)晴れ
ここは早朝、5時前のひまわり乳業本社。社屋横の風力発電とお月様を撮影してみました。シャッタースピードが遅いので、発電機が筒状に見えます。その左手に見える星は木星。かなり明るうに、お月様の近くで輝きよります。
高知に、関勉さんという、高知県人なら誰でも知っちゅうアマチュア天文家がいらっしゃいます。彗星をみつけるコメットハンターでもあります。その方が書いた文章に、南海地震と木星のことが出て来ます。
ま だまだ戦争の傷跡が残る昭和21年12月21日午前4時。夢中になって、海外からの短波放送を聴きよったそうです。大きな揺れが襲うてきて、大地震やとわ かったそうです。長い長い時間が経過し、ようやく動けるようになって裸足で裏庭に出ました。薄曇りで、東の空には、明けの明星金星が、いつもよりかなり明 るく、うす雲の向こうからボーっと光りよった光景に、凶事を運んでくるホウキ星ではないかと思うたそうです。
現代になって、パソコンで、特定日時 の星空を見れるようになり、その日の明け方の星空を見てみて、納得できました。丁度、金星と木星がくっついて並んじょった訳です。うす雲の向こうで、2つ の明るい惑星が輝きよったので、異様に明るく大きく禍々しく感じた、ということのようです。
そこで、過去の南海地震の日の夜空を見てみました。ま ず、宝永4年10月4日昼下がりに発生した宝永の南海大地震。その日の夜8時頃は、月も出ちょらず、明るい恒星と言えばぎょしゃ座のカペラとこと座のベガ くらい。肉眼で見える惑星は土星くらいでした。嘉永7年11月5日午後4時頃発生した、安政南海大地震の夜を見てみますと、おなじくぎょしゃ座のカペラ、 そして、シリウス、プロキオン、ベテルギウスの冬の大三角形やオリオン座が輝きよりました。オリオン座の右上に、土星。この晩も、肉眼で見える惑星は土星 だけでした。
昭和の南海地震の際は、地震直後、珍しい、金星と木星のランデブーがうす雲の向こうで一緒に輝きよりました。宝永と安政は、地震はお昼で、その晩に輝きよった惑星は土星。被災したひとたちは、夜空を見上げる余裕はなかったでしょうか。