ロマンチックなデートスポット〔3056〕2011/08/28
2011年8月28日(日)良いお天気
今日も暑うなりそうなので、朝のうちにたつくりに行っちょりまし た。今朝は五台山。と、申しましても、あの青柳橋の袂から登る車道ではなく、昔からある遍路路を駆け上がってみました。遍路路の登り口は、ちくとわかりづ らい場所にあります。こないだうちから、五台山は大島という島であったという話を書いてきました。そして、今でも、大島という地名が残っちょります。その 大島という地区の山裾に遍路路の登り口があります。
土電の電車に、文珠通という停留所がありますよね。あの停留所の東の道をまっすぐ南下すると、絶海池を渡って五台山に突き当たります。そこの小さい径を東へちょっと行けば遍路道の登り口。
それもそのはずで、文珠通という停留所名は、五台山のてっぺんの札所、竹林寺さんにつながっちゅう道、という意味ですき、竹林寺さんのご本尊は文殊菩薩さま。竹林寺といえば文殊菩薩。その、竹林寺さんにつながる道が文殊通。
と、いう訳で、その遍路道を駈け登ると、牧野植物園の園内にでます。遍路道は園内を突っ切っちょりまして、もちろん植物園ができるずっと前からあった道ということで、遍路道からはずれなければ通ってかまんようになっちゅうがです。
展 示館の横から南園の方へ抜け、今度はお馬路を通って五台山の東麓、長江方面に下ります。南園の中に、藩政期の頃、竹林寺さんの南坊があり、そこへ東麓の鋳 掛け屋さんからアルバイトに通うて来よったががお馬さん。南坊の若い僧、慶全さんと恋仲になり、はりまや橋近くの小間物屋で簪を買いよったががみつかっ て、その若僧は破門。ところがその上司やった純信さんが、今度はお馬さんとくっついてしまい、憤懣やるかたない慶全くんが、あることないこと言いふらして コトがオオヤケになって事件化、純信お馬の二人はかけおちしますが捕まって連れ戻され、城下三番所で晒しものにされたりしました。この話はまだまだ続きま すが、今日ご紹介するがは、以前にも一度ご紹介した「お馬岩」。ここで、中年の社会的地位もある高僧、純信さん(35)と、べっぴんさんと評判の娘、お馬 さん(15)が、逢い引きをしよったという話です。こっから山道を下っていくと、丁度、お馬さんの家の横に出ます。お馬さんが通うた道がお馬路で、逢い引 きした岩がお馬岩。ここお馬岩には案内板もなにも無いので、ちょっと、普通はわからんと思います。
眼下には絶海池、そして高須、香長平野が広がる絶景ポイント。今はちょっと鬱蒼としちょりますが、当時はもっとスッキリしちょったことでしょう。ロマンチックなデートスポット。なるほど。