磐座と磐境とヒモロギ〔3015〕2011/07/18
2011年7月18日(月)雨
台風が来よります。海は大荒れになっちょりますが、まだ、雨脚はそんなに強 うありません。嵐の前の静けさ。今の季節、雨の中を走る方が、お日様の下を走るよりずっと快適。今朝は、昨日と同じ鏡川沿いのコースでしたが、遥かに走り やすかったです。ここは、昨日と同じ潮江天満宮の、本殿西側に鎮座まします大山祇神社。小さな山の上の、木立の中にたたずむ姿は幽玄で、厳粛な気持ちにさ せてくれるお宮さん。潮江天満宮拝殿の両脇から上っていく小径があります。
その大山祇さんには、昔、四国山中の手箱山から勧請してきたと古老が伝 える、という案内板が掲げられちょります。その向かいには大きな岩があり、しめ縄が張られて祀られちょります。磐座(いわくら)。磐座は、神様が降りてく るとされる巨岩。巨岩信仰は、国家神道成立以前からこの国に伝わってきたもの。それを磐座と呼び始めたががいつの頃からは知りません。が、この磐座は、お そらく、ここに大山祇神社が祀られたり潮江天満宮が祀られたりする以前から、神様の岩として尊崇されてきたがやないでしょうか。ひょっとしたら、ここが、 潮江天満宮の原点ながかも知れません。
日本書紀とかによりますれば、磐座と磐境(いわさか)があります。区別がこじゃんとわかりづらいですが、岩の集合体が磐境で、単独の、神様が降りてくる岩が磐座という説もあります。
い ずれにせよ、社殿ができて、そこに神様がお住まいになるようになるがは、国家として神道を整備していく段階になってから。それまでは、巨岩であったり、太 陽であったり、雷であったり、蛇であったり、そういった自然が、信仰の対象でした。その名残でしょうか。日本のお宮さんは、森に囲まれちゅう場合がほとん ど。神様の空間を、ヒトの住む空間と峻別するために木が植えられ、そこがヒモロギとされました。ですきに、日本中どこへ行っても、街中に奇跡のように森が 残っちょったりする訳です。
雨が絶え間なく落ちてくるここ、潮江天満宮の磐座。空を見上げると、大自然の神様の気配を感じます。