安田、坂本屋の事件現場〔1903〕2008/07/01
2008年7月1日(火)晴れ!
今日から7月。いよいよ夏本番、てなところですが、皆様昨夜は夏越しの祓、輪抜け様へは行かれましたか?高知の街も、浴衣を着た若者もどっしこで、なかなか賑やかでございました。今朝の潮江天満宮は、毎年のことですが、露天商の皆さんがキビキビと掃除片付けをやっておられまして、それを見るがも心地良かったです。
さて、今日は県東部に来ちょります。こないだ、大雨で大変やったみたいですね。ここは大雨の降った安田町。安芸市と田野町の間の町。この町の山裾に、ご覧のように土佐くろしお鉄道ごめんなはり線が通っちょります。
ここから、四国八十八カ所霊場第27番札所「神峯(こうのみね)寺」へと登ります。標高630mの山のてっぺん近くにあるお寺さんですきに、歩き遍路の方は結構大変。藩政期の頃、夕方から登って参詣するがは、山で日が暮れて遭難する危険があるので控えるように、と言われよった札所。ですきに、この登り口には旅館も建ち並び、加えて料亭もどっしこあって、この界隈に住む皆さんの信仰と遊興のメッカやった訳ですな。丁度この写真の周辺。で、左端の案内標識の向こうに小さな家が見えますが、あの辺りに、坂本屋という旅館があったそうです。大きな旅館。
安政2年、1855年の秋、20歳年上の中年男「純信」と駆け落ちして捕縛され、高知城下三番所で晒し者にされた16歳の美少女「お馬」さんは、安芸川以東への追放となり、この坂本屋さんで女中さんとして働くようになりました。どうやらかなりの人気やったみたいです。噂の張本人で、美少女ときちょりますきに。
が、翌年、伊予の川之江に追放になっちょった中年男純信さん、行商人に変装して、ここ安田の坂本屋までやって来たそうです。もう、すっかり「その気」ぢゃあないなっちょったお馬さんとその場でモメまして、役人に捕まって純信さんはまたまた国外追放、お馬さんは今度は西へ、須崎へと追放になったのでありました。お馬さんにしてみたらエイ迷惑やったことでしょう。真面目な中年男が恋に舞い上がったらなかなかシワいです。
ここが、その事件の現場であります。