南国市立田、嶺南社、池知退蔵さんと春水さん〔920〕2005/10/22
2005年10月22日(土)涼しい秋晴れです
今日は高知。朝から南国へ来ちょります。
ひまわり乳業南国工場は、南国市物部という所にあります。南国市の東端、物部川沿いです。
この界隈には古い祠が多いので、昔からヒトが住んでいたことがわかります。が、田んぼの多い、のどかな田園風景の広がる地帯であります。
こないだ、南国工場の少し西北、立田地区をたつくりよりまして、田んぼの真ん中に何やら記念碑が建っちゅうのを発見しました。刻まれた文字を読んでみますと「嶺南社香長学校址」。成る程。
工場の近く、こんなのどかな場所にこんな史跡があったんですな。高知もなかなか奥が深いです。
嶺南社は、土佐勤王党の流れを汲み、明治初期には「国民派」で活躍した森新太郎さんや池知退蔵さんが設立した青年教育機関。民権派、自由派に対抗し、保守派の人材を育成すべく作られました。
嶺南社の設立は明治7年で、香長学校が出来たのは明治13年。森さんは、国民派の牙城「高陽会」にも深く関わっちゅうですね。
池知退蔵さんの名前が出て来たのでちょっとビックリ。この人物、南国の郷士で、土佐勤王党のメンバーとして維新で活躍、その後自由民権運動に身を投じ、そして立志社に対抗してこの嶺南社を設立したのでありますが、この退蔵さんの息子さんが池知春水さん。国民派の闘志として有名ですが、我々の間でもっと重要なのは、この池知春水さんが、明治17年にオーストラリアから乳牛を購入、高知城の北でそれを飼育、「高知牧牛会社」を設立して牛乳販売を始めたこと。
つまり、高知の近代乳業を始めたのが、この池知春水さんなのであります。