鉄道貨物輸送の大きな課題〔8246〕2025/11/12
2025年11月12日(水)晴れ!
今朝は、先日予告した、貨物輸送が抱える課題について。写真は、NゲージでDF50が引っ張るコキ107に積載されたJR貨物の12フィートコンテナ。格好いいねー。
さて。牛乳業界でも、貨物列車の利用が促進されてきました。こないだも書いたように、函館に本社がある北海道乳業さんは、練乳を貨物列車で本州のお菓子メーカーに運んでいます。そのほか、20年も前から北海道産の牛乳が本州まで運ばれるようになってきてます。
ご承知のとおり、日本の生乳生産は、その多くを北海道に依存しています。全国の生産量のほぼ半分が、北海道。そんな訳で、北海道以外の土地で消費される牛乳は、いろんな輸送手段で運んでくる必要があります。その輸送のほとんどを担っているのが、船。釧路港と日立港の間を毎日運行している「ほくれん丸」が有名やけど、そのほかにも、北海道から日本海を通って敦賀などに運んでくる新日本海フェリーなどがあります。基本、トレーラーシャーシに牛乳輸送用のタンクコンテナを積む形。
で、生乳を入れたタンクコンテナのトレーラーシャーシを船に積み込み、港でそれをトラックに積み替えて牛乳工場に運ぶ訳だ。そしてそのトレーラーシャーシは、貨物列車にも載せれるのであります。
そんな訳で、実は北海道の生乳輸送に、JR貨物の貨物列車も利用されているのでした。20年も前から。その生乳、遠くは大阪の吹田貨物ターミナルまで運ばれており、大都市圏の需要に対応しています。
先日、そんな、北海道の生乳を鉄道貨物で本州まで運んでいる関係者の方とお話する機会がありました。運賃は、船より少しだけ安いけどそんなには変わらない、とか。問題は、遅延。
貨物列車関係のYouTubeを見てると、貨物列車って、平気で10時間とか遅延していることがあります。天候の問題だったり、車両の問題だったり、災害の問題だったり、様々な理由で。その関係者の方のお話では、大幅に遅延することも結構あるんだそう。そう。人間の輸送、旅客輸送が最優先なので、トラブルがあってもその対応は旅客列車優先。必然的に貨物輸送に皺寄せがきて、再々の大幅な遅延が発生したりする。生乳という生鮮品を運ぶのに、これはなかなか厳しい。しかも、遅延によって輸送する商品がダメになっても、その補償は、ない。
土砂崩れなどで何日も止まったりすると、生乳の場合は大変だ。船は台風で欠航になったりするので貨物列車の方が確実かと思いきや、貨物列車の方がずっとずっと遅延するケースが多いんだそうですね。なるほど。
これからの日本の将来、鉄道貨物輸送の将来を考える時、こういった大きな課題を解決していかんといけません。技術力はこういった方面に活かすべきだし、設備やインフラの投資も、こっちだと思う。人と貨物の共存を目指し、頑張って欲しいねー。
