鍋立山トンネル西出口〔8193〕2025/09/20

2025年9月20日(土)曇り
昨日は軽井沢やったけど、今日はお昼に富山。なので、昨夜は思うところあって直江津に泊まってました。信越本線直江津駅前のホテル。
そして今朝、直江津駅からほくほく線始発普通列車に乗って、まつだい駅まで往復してきたのでした。お目当ては「鍋立山トンネル」。
写真は、普通列車の車内から撮影した「鍋立山トンネル」の西出口。ほくほく大島駅停車中に撮影しました。
ほくほく線、正式名称北越急行ほくほく線は、上越線六日町駅と信越線犀潟駅を結ぶ第三セクターの路線。国鉄時代に計画、着工され、国鉄分割民営化によって工事が中断され、その後、田中角栄の鶴の一声で第三セクター方式で運営されることとなって工事再開、平成9年(1997年)に開業したのでした。それはいいけど、地質マニア、トンネルマニアにとっては、その途中にある「鍋立山トンネル」が余りにも有名なのであります。なべたちやまトンネル。
延長9116.5mのトンネルですが、その中工区が日本のトンネル掘削史に残る難工事だったことで有名。なんせ、着工から完成まで、間に4年の工事凍結期間を含めて22年近くかかったというすごいトンネルなのでした。
鉄道トンネルの難工事というと、このにっこりで幾度も取り上げてきた丹那トンネルが有名。で、あれは戦前の話やけど、鍋立山トンネルは国鉄末期、つまり鉄道技術やトンネル掘削技術が飛躍的に向上してた時期の工事で、世界最先端のトンネル技術を持ってして、幾多の困難を乗り越えなければならなかった工事なのです。
例えば、ある区間では、2年4ヶ月かかって、進んだのが81mだったりしてます。1ヶ月で3m進まない。そんなこんなの中でウルトラCと言うべき技術TBMが導入されました。トンネル・ボウリング・マシン。ところが、一気に65m進んだところで地山に捕まってしまい、動かなくなる。そして、膨張する地山に絡め取られて押し出されt、ずりずりと後退、スタートした地点から更に30m押し戻されたのでした。つまり、6ヶ月かかって、進んだのはマイナス30m。
この鍋立山は、泥火山のようになってて、ガスと泥がどんどんと湧き出る恐怖の山だったのでした。専門家に「掘ってはいけないトンネル」「神の領域に足を踏み入れてしまった」と言わしめた、山。
そんなとんでもない地質を克服して開通した鍋立山トンネル、そしてほくほく線。
ごめん・なはり線もそうやけど、国鉄末期に着工された路線って、向上した技術が駆使されてるので、とにかく快適。ほくほく線は、トンネルだらけやけど「直線」が多く、普通列車なのに速い速い。
多くのお客さんを乗せて、地域になくてはならない路線となりました。