繁藤駅の駅舎〔8079〕2025/05/29

2025年5月29日(木)曇り
JR土讃線繁藤駅。今朝早朝、撮影してきました。岡山行きのアンパンマン列車、南風2号が通過していきます。幾度かこのにっこりひまわりでも取り上げてきた、繁藤駅。
昭和5年、土佐山田駅ー角茂谷駅間が開通した際にできた天坪駅で、今年で95年。昭和38年に、現在の「繁藤駅」という名称になっているので、僕にとってはずうっと「繁藤駅」。かつて、この駅から黒滝鉱山というマンガン鉱山に向けて石原満俺軌道という鉄道が敷かれていた関係で、こんな感じの広い敷地になっている、繁藤駅。
そして繁藤駅で忘れてはならないのが、昭和47年(1972年)7月5日に発生した大規模土砂災害「繁藤災害」。61名もの犠牲者を出した繁藤災害は、この駅で大雨により停車中の汽車も巻き込んだ、高知県の災害史に残る大災害でした。
2022年、災害から50年ということで、高知新聞さんにも記事が掲載されてました。その記事の写真を見ると、繁藤駅の東側が土砂に埋まり、客車が穴内川に落ちているのがわかります。駅舎は、かろうじて土砂を免れています。
その駅舎は、いつ建てられたものなんだろう。開業時からのものだとすると、昭和5年からのもの。で、繁藤災害を免れた駅舎は、その後、国鉄からJR四国になった際に改装が施され、現在に至っています。そう。現在の駅舎は、外見新しそうに見えるけど、実は繁藤災害にも見舞われた駅舎。
その駅舎が、遂に取り壊されることになりました。こんなページがあります。これによりますれば、今年秋頃以降に解体撤去され、仮待合所が設置される、とのこと。なるほど。
このページに現在の繁藤駅の写真がたくさん掲載されてます。ホームにせり出した庇を支える柱をよく見ると、古い古い角材が見えていて、この駅舎がかなり古いものだとわかりますねー。
この記事にもあるように、土佐岩原駅や太田口駅の駅舎は既に取り壊され、駅舎そもそもが無くなりました。壊すねー、どんどん。繁藤駅は、新駅舎ができるんでしょうか。
この駅、確かに1日4往復しか停車しないというローカル駅やけど、かなり広くて線路もいっぱいあるので、上り下りの待ち合わせをしたりするし、保守車両がいつも停まってます。マルタイとかね。
今後も、JR四国での駅舎取り壊しの勢いは止まらんのでしょうか。寂しいねー。願わくば。この、高知県災害史に残る繁藤災害の証人でもある駅舎は、その痕跡か何かを残してほしい。新駅舎ができるのなら、繁藤災害の記録もわかる展示にがあったらいいのにね。
ともあれ、この歴史ある駅舎を見られるのは、あと数ヶ月。