汽車と電車とやなせたかしさんとひまわり牛乳〔7513〕2023/11/10
2023年11月10日(金)雨
久々の雨の朝。たまには降らんとね。お天気ばかりでも困りますきに。
さて。朝ドラ「あんぱん」で話題のやなせたかしさん。こないだいくつか本を購入して読んだけど、また買ってしまった。「おとうとものがたり」という詩集。
仲良かった弟さん。優秀で、旧制高知高校から京都帝大へ進み、出征して戦死したという弟さんとの思い出を、美しい詩と絵で綴っています。こないだご紹介した「道信山の夕やけ」も、この詩集に収録されてますね。若くして亡くなった弟さんへの愛が溢れる美しい詩集。
その詩の中に、「中学生になった兄弟は 同じ汽車で通っていた」という表現がでてきます。これは、現在のJR土讃線、当時は鉄道省の土讃本線の、汽車。後免駅が、当時兄弟が暮らしていた家から徒歩5分なので、便利だったでしょう。毎日毎日、道信山の横を通っていたでしょうね。
あと、この詩集の「あとがき」に、こんな文章が出てきます。
「日曜日になると電車に乗って高知市にいる母に会いに行った」
再婚したお母さんは、子供たちを亡き夫の兄に預けて、高知市内に住んでいたんですね。その母親に会いに行くときは、電車。
これ、高知県人ならすぐわかる「汽車」と「電車」。でも、県外の方は、上の二つの文章に出てくる「汽車」と「電車」を同じものと勘違いしてしまうかも知れません。土讃線の汽車のこと「電車」と呼んだりしますもんね、知らん人は。
高知県人にとっては常識で、このにっこりでも幾度も書いてきた話。JRは「汽車」で、とさでん交通の路面電車が「電車」という高知県人の常識。土讃線は、今も電化されてません。
柳瀬少年の家から土讃本線後免駅まで徒歩5分で、土電の後免中町停留所までは徒歩6分。便利な場所に住んでいた、柳瀬少年。用事や場所によって、「汽車」と「電車」を使い分けていたんでしょうね。通学に汽車を利用したのは、省線の方が安かったからでしょうか。
写真は今朝の後免町。この車庫に停まっている十数両の電車が、ぜんぶ、灯りを煌々と点けて、出発準備をしているという圧巻の風景。見事な美しさ。
右手には運転手さんの待機小屋があり、出発に備えています。その前のブルーのベンチを見ると、そこには「ひまわり牛乳」。ちょっと、嬉しくなる朝の風景。