さあ、1歩を踏み出した〔7231〕2023/02/01
2023年2月1日(水)薄曇り
2月になりました。もう、2月か。まだまだ朝はひやいけど、それでも少しづつ春へと向かう季節。ここは母なる川、物部川。この界隈が物部氏ゆかりの物部郷だったことから物部川と呼ばれるようになった、美しい川。藩政期初期、野中兼山の発想と土木工事により、流路が現在のものに固定された物部川やけど、それまでは、扇状地の中を洪水の度に流路が移動していたんでしょうかね。
野中兼山の治績は、利水と治水、両方の意味がありました。どちらかと言えば利水。で、明治以降は治水にも重きが置かれ、発電という役割も加わって、この流域に大きなダムが3つ作られたのでした。
現在の物部川にあるダムは、下流から、杉田ダム、吉野ダム、そして永瀬ダム。杉田ダムはすいたダムと読むこと、高知県人ならご存知でしょうか。
この3つのダムに、近年、大量の土砂が堆積してしまい、治水機能が低下するのみならず、大雨が降った際に長期間濁水となってしまう問題については、このにっこりでは幾度も幾度も幾度も幾度も幾度も取り上げてきたので、ご承知の方も多いと思います。
産卵場の整備などで、稚魚放流をしなくても素晴らしい鮎釣りを楽しむことができるようになってきた物部川やけど、ひとたび大雨が降ると濁水が長期化し、水温低下などで鮎が釣れなくなる、などということを繰り返してきました。
その問題が、解決に向けて、やっとその第一歩を踏み出した、という記事が、こないだ1月29日の高知新聞に載ってましたねー。「物部川濁水対策検討会」なるものが検討しているのは、土砂を迂回させるバイパスを新設するとか、平常時は水を溜めない「流水型」ダムにするとかの方法が検討されているとのこと。
最下流の杉田ダムは、その、「流水型」にする案。そうすると、平常時は利水に使うことはできんなるけど、増水時に治水機能を果たすことができます。で、土砂は、下流へと流れていく。
上流の2ダムはバイパス方式が検討されているようですが、技術的課題はまだまだ多い。何しろ、「3つのダムを治水も利水も環境も踏まえて改造する事例は全国にもない」そうで、簡単には進めれん訳ですね。それでも、改善に向けて1歩を踏み出したのは、大きいね。
なんせ、ダムへの土砂堆積による濁水長期化は、人間の所業による結果。だから、人間の手によって、解決していく責任が、あります。時間はかかるかも知れんけど、人間の叡智と努力に期待したい。と、思う2月1日の朝。
さあ。2月も張り切って仕事仕事!