罪のない嘘と罪のある嘘〔6925〕2022/04/01
2022年4月1日(金)晴れ
4月になりました。はや、4月。
僕は還暦で、同級生もみな還暦になってしまい、ボチボチ定年退職組が出てきているのが、なんか、感慨深いねー。こないだまで高校で一緒に遊んでいたのに、もう、退職だって。もちろんまだまだ仕事を続ける同級生も多いのは事実で、自分の感覚としては、まだまだ若いつもりやったりしますが、あちこちそちこち衰えてはおります。頑張らなくっちゃ。
そんな訳で、4月。
4月1日はエイプリルフールで、4月馬鹿で、嘘をついても構わん日と言われてきました。罪のない嘘で楽しむ風習。その起源については諸説あるようで、日本に入ってきたのは大正時代、と、ウィキに書いてございます。ホントか嘘か知らんけど。
でも近年、ネットの普及で、世の中にフェイクが氾濫するようになってしまいました。真実は一つなのに、それを色んな側面から見ることで、見え方が変わる。わざと、断片だけを切り取って特殊な解釈をし、それが皆が知らなかった本当の真実だ、などと広めたりする輩が、一番タチ悪いと思ってます。これからの世界を生き抜いていくには、情報を自分で峻別し、咀嚼していく力が必要。リテラシーというやつですな。いや、我が身を振り返ってみても、気を付けんといかんと思うこと、たくさんあります。
で、ネットの中でフェイクが氾濫するようになって、4月1日に嘘をついたりすることが減ってきたような気がするけど、気のせいでしょうか。もしそうなら、罪のない嘘も、軽く受け流してしまえるような余裕が無いなってきたからかも知れません。いや、適当な想像を書いてはいかん。嘘になってしまう。
こないだ高知新聞に、ゴルバチョフさんの言うたことが紹介されてました。プーチンが忌み嫌うゴルバチョフ。彼がいなかったら、旧ソ連や東欧諸国の崩壊は起きていなかったかも知れず、世の中はもっと険しいものになっていたのかも知れない、と、心底思ってます。で、ゴルバチョフが改革の中で一番大切にしたことは、情報を正しく伝えることだったそう。思い出すねー。グラスノスチ。
KGB出身のプーチンは、だからゴルバチョフが大嫌いなんでしょうか。
今の世界情勢では、ロシアはもちろんやけど、ウクライナもアメリカもヨーロッパ諸国も中国も、かなり高度な情報操作、インテリジェンスを駆使してるのは間違いありません。もちろん自国の利益が一番大事だから。
ウィキには、2016年のアメリカ大統領選挙でフェイクニュースが社会問題化してから、北欧メディアでは伝統となっていたエイプリルフールの嘘記事を自粛するようになったと書いてます。いや、これも真偽のほどはわからん訳やけど。ウィキやし。ああ、めんどくさ。
それでも言えることは、正しい情報を隠さず正確に伝えることの大切さ。これ、ロシアのこと色々言うてるけど、日本でも色々ありましたきんねー。襟を正さんといけません。
ゴルバチョフみたいな人が、出現しないだろうか。
などとしみじみ思う、4月1日の朝。毎年恒例の、「きんこん土佐日記」エイプリルフールバージョンの楽しい嘘を読みながら。ああ。気軽に罪のない嘘をつける日が訪れんことを。