高潮のメカニズムと記録不能〔6354〕2020/09/07
2020年9月7日(月)台風の朝
今、朝5時。出勤してひと仕事済ませてから、このにっこり書いてます。外は台風。とは言え、雨はそんなでもなく、風がとてもこじゃんと強く吹いております。風で飛びそうなものは昨日のうちに片付けておいたので、工場は、いつものように静かに稼働を始めております。
昨日からの台風情報をテレビで見てますと、高潮について、わかりやすく説明してくれてました。
高潮のメカニズム。高潮って、基本、雨が降ったから増水する、という単純なものではないんですね。と、申しますか、雨量とは基本的には直接の関係は、ない。
台風などが通過すると、気圧が下がる。すると海面が、押し上げられる。いや、引っ張り上げられると言うた方が正確でしょうか。その引っ張り上げられた海面を、横からの強い風が押し出して陸地へと流れ込むのが、高潮。それを昨日は図解入りで説明してました。NHKさんありがとう。
昭和45年の10号台風で検証してみよう。
台風10号が高知を襲ったのは、昭和45年8月21日。昭和45年8月の、高知市の気象データを見てみると、こう。21日の平均気圧が1000を切って、低くなってること、わかります。そして最大瞬間風速が、なんと54.3m。すごい。
その8月21日を詳しく見てみると、こうだ。台風が須崎へ上陸したのが朝の8時頃と言われてて、朝9時の高知市の気圧が979.2hPa。あの頃は「ミリバール」言うてたけど。雨量は、1時間50.5mmが最大なので、近年の大雨に比したら、そんなに凄まじい雨が降った訳ではありません。なのにあの水害。高潮、恐るべし。
気象庁には、歴史的潮位資料というのがあって、かなり過去まで、その潮汐表を見れるんですね。気象庁、すごいです。国土地理院くらい、すごい。その歴史的潮位資料 高知(KOCHI)で、1970年8月を見てみました。なるほど。尋常ではなかったこと、わかりますね。これ、表示地点を「高知」、表示年月を1970年8月に設定して、「各項目を入力してクリック」で、表示されます。通常の満潮が200cmくらいなのが、8月21日には400cmのところで記録が途切れてますねー。記録なし。23日の午後になって、やっと記録が戻ってくるけど、それでもしばらくは、潮目はかなり不安定であること、わかります。
このグラフ見ただけで、あの10号台風の凄まじさを、思い出す。
高潮の原因の一つとされたのが、浦戸湾の埋め立て。一昨日も書いたように、当時、既に浦戸湾の東側、埋め立てられてました。後の検証で、埋め立て前と埋め立て後で、浦戸湾の水位、上昇したことが確認されてます。このグラフにある、記録不能の高潮は、人類への警鐘でもありました。
まだ外は真っ暗。風が窓を揺らし、時折、雨粒が叩きつけてくる、朝。
謙虚に、慎重に、無事台風が過ぎ去るのを、待つ。
被害がないことを、祈るばかり。