雨の種類〔6271〕2020/06/16
2020年6月16日(火)曇り
昨日は良いお天気で暑かったし、今日も降らない予報。今年の梅雨は、晴れ間が多い。去年もそうやったっけ。昔のことは忘れました。
雨は降らんけど、雨の話、書きます。なんとなく雨恋しい感じなので。
僕の好きな「大言海」。明治から昭和の初めにかけて、大槻文彦さんが個人で編纂したというすごい国語辞書。そこに収められている言葉は、今はもうあまり使わなくなったものも含め、4万語。そして「大言海」を使いこなすために作られた「綴字逆順排列語構成による大言海分類語彙」というのもあって、これもすごい。単語の末尾の音から検索できるように整理したもので、これもまたものすごい労力の作品では、あります。
で、今日は「綴字逆順排列語構成による大言海分類語彙」で、「雨」に関する言葉を探してみました。「あめ」とか「さめ」とかで終わるのは「和語」。和語の「雨」を見てみると、雨「あめ」で終わるのが27語。雨「さめ」で終わるのが11語。あと、それ以外の雨「め」で終わる語が2語あります。
次に、「う」で終わるのは「漢語」の分類。雨「う」で終わる言葉はなんとなんと44語。
つまり。「雨」という漢字で終わる単語が、27+11+2+44=84で、少なくとも84語が収録されている「大言海」。日本や中国では、雨にこれだけの種類があり、その表現は細かく細かく色分けされているのでありました。
英語とか、どうなんでしょう。
ネットで見てみると、英語でも、かなりの雨の表現があるようです。そりゃあそうだ。イギリスって、雨のイメージありますもんね。霧のロンドンエアポート。雨に霞むビッグベン。そんな感じ。だから、雨の種類も多そうな英語。
でも、ペニーレインは雨じゃないよ。Penny Laneで、ペニー通り。昔、なんとなく、小粒の雨のことをペニーレインと言うのかな、と思ってた僕が恥しい。今、その名前の由来となった人物が奴隷商人だったとかで議論になってるらしい。難しいね。ビートルズには罪はないけど。
雨の話でした。
この「雨」見てると、なんとなく意味がわかるのもあれば、わかりにくいのも、あります。例えば「一味雨」。「いちみのあめ」と読みます。「國土、草木ノ遍ク潤フ雨。佛ノ平等説ガ一般ニ流布セルニ譬ヘテ云フ。」という意味らしい。知ってました?
よく知ってるけど、あまり使わないのが「糠雨」「小糠雨」。
よく知ってるのは、欧陽菲菲の「雨の御堂筋」があるからですね。
チャチャッチャ こっぬか あめふる みっどっおおすじー チャチャッチャ
ああ。懐かしい。
「糠雨」は「極メテ細カナル雨」で、「小糠雨」は「甚ダ細カク降ル雨」。
「甚ダ細カク降ル雨」の中、泣きながら傘もささずに御堂筋を南へ歩く女。ちょっと、怖い。
雨というのは、いろんな感情を人々の心に惹起させるもの。感情の襞の数だけ、雨の種類もあるのかも知れませんね。
雨の話書いたけど、今朝は降ってません。さあ。頑張って仕事仕事。