木星の下のストレージタンク〔5802〕2019/03/05
2019年3月5日(火)晴れ
昨日の日中は春の陽気。だったのに、夕刻から寒くなって、今朝は少しだけ寒の戻り。ちょっとだけ、寒い。寒いけど春の気配は着々と訪れてます。桃の花が満開だ。
写真は今朝、4時半頃の弊社工場。このメインの建物では、すでに殺菌充填が始まってます。早朝から働く皆さん、本当にご苦労様です。
右手の大きな建物が冷蔵庫。その左に銀色のタンクが見えますね。ストレージタンク。酪農家さんから集荷してきた生乳が入れられるタンクを、我々業界ではストレージタンク、と呼びます。
調合や殺菌が済んで、充填機で紙パックやビンに充填される直前の液体が入れられるタンクは、業界用語でサージタンク。
そう。業界用語。一般的な意味での「サージタンク」をウィキで見てみよう。
「流体の過剰な流入量を一時的に蓄えることで流量を緩和して、増減を平準化することを目的に備えられる各種の貯槽類に与えられる、工学全般における一般的な名称である。」んだって。
牛乳の製造工程。受乳検査後、クラリファイヤーという遠心分離機でスラッジを取り除き、ストレージタンクに入れる。そのストレージタンクから、加熱してホールディングタンクというタンクに移され、乳脂肪分を細かくするホモゲナイザー(均質機)を通してから、加熱殺菌。そしてサージタンクへ。そして充填。
ホモゲナイザー、殺菌機から直接充填機に流すとタイヘン。大変だ。充填機の処理スピードとホモゲナイザー、殺菌機の処理スピードが同じではないので、タイヘン。無理。なので一度タンクに貯め、充填機の処理スピードに合わせてゆく。
てな意味合いで、サージタンクと呼ぶようになったんだろうね。たぶん。
ではストレージタンクは。
実は、ウィキには「ストレージタンク」という項目、立ってない。ストレージはstorageで、貯蔵という意味だから、貯蔵タンクという一般名詞になるから、わざわざ項目を立てるまでもない、ということなんでしょうか。知らんけど。
弊社のストレージタンクには、他社と違う特徴があります。小さめのストレージタンクがたくさん、という特徴。よく牛乳工場へ見学に行ったりすると、巨大な銀色のタンクが工場の外に屹立してるの、見かけたりしますよね。見かけたりしてください。
あれと比べて、弊社のは、小さい。けど、数が多い。
これはどのような結果をもたらすのか。と申しますと、生乳を細かく峻別できる、ということと、新鮮な生乳を使うことが可能になる、ということなんですね。
牛乳は、ご承知の通り液体。だから、混じってしまう。大きなタンクに入れると、様々な産地や生産者の生乳が一緒くたに混合することに、なります。
小さいタンクだと、産地や生産者ごとに生乳を峻別することが可能になります。そして、先入先出しが、大きなタンクよりも有効にできるのは、なんとなく想像できますよね。そう。そんなこと。
だから、ひまわり牛乳の風味は、一味違うということが言えるのであります。生乳が新しい。そして生産者がハッキリしている安心。
工場の上には木星。あそこから左下に、土星、冥王星、金星と並んでます。黄道の上に並ぶ惑星。今朝はそんなお星様の話を書くつもりで撮影したのに、うっかり、タンクの話でここまで文字数を費やしてしまった。黄道と太陽系の話は、また今度。惑星やお月様が黄道に並ぶのは、理由があります。
新しい生乳を殺菌充填した牛乳は、おいしいに決まってます。おいしいには、理由があります。