2017年大晦日〔5373〕2017/12/31
2017年12月31日(日)大晦日
大晦日。このにっこりひまわりを始めてからだけでも、もう、15回目の大晦日。こうやって毎年、暮れてゆき、新しい年を迎える。その繰り返し。
でも、繰り返していくなかで、いつの間にかいろんなことが、変わっていく。そして僕らは、変わっていくことに、うまく対応していかなくてはならない。
今朝、出勤途中にNHKのラジオを聴いてました。その中で、サザンオールスターズの1stアルバムに収録されている「いとしのフィート」という曲を紹介してた。歌詞の内容が、一人で過ごす大晦日から正月にかけての寂しさ。
で、パーソナリティの方が言うのに、この曲が作られた時代のことがわからない今の若い世代には、この歌詞の意味がわからないのではないか、とのこと。1970年代後半。そう。あの頃は、人が集まるカウントダウンイベントのようなものは存在せず、テレビでは紅白歌合戦以外に特に面白いのもやっておらず、大都会で一人で暮らす者にとっては、とても寂しいやりきれない年末年始であった、という話。そして、一番違う環境は、メディア環境。
今のようにスマホで人とつながったりすることも、ない。ネットを見て暇をつぶすことも、もちろんできない。ただ、部屋で一人、見るともなしに紅白をつけたまま、ひたすら一人で安酒を飲みながら過ごす大晦日。
あの頃は、年末年始は家族で過ごすようにできていた。正月にはお店は閉まり、初詣以外に行く所もない。家で、おせちや皿鉢を囲みながら過ごす。だから、一人、大都会で暮らす者には辛かったのかも知れません。
そして現代。
都会で一人で暮らしていても、やりようによっては寂しくない時代になった。
この、ネット環境やSNSの状況が、あの当時に予想できていた人は誰も居ないと思います。いつでも誰かと繋がっている。この環境しか知らない若者には、あの、サザンの歌った歌詞の意味を理解することは、できないんだ。
いつ頃から、世の中が変わってきたのか。
今読んでいる本に「アップルを創った怪物」というのがあります。スティーブ・ジョブズではありません。ジョブズと一緒にアップルを立ち上げた、そしてパーソナルコンピューターという概念を世界で最初に形にしたエンジニア、スティーブ・ウォズニアックの、自伝。これは面白い。
彼は、やはり、ジョブズと同じくアメリカのサブカルチャーの中で、かなり危ない橋を渡りながら新しいテクノロジーを創った人物。発想や行動はサブカルチャー的で、正統派ではない。ちょっと変わり者だ。かなり変わり者だ。
現代のネット環境やPC、スマホ、タブレットといった社会へ向けた発想がスタートしたのを、ウォズニアックは、1975年3月である、と断定します。
失業中のエンジニアの家のガレージに集まった30人ほどの技術者たち。彼らが、目指したのは、当時、巨大企業や公的機関だけのものであったコンピューター技術を、個人が使える世界。
誰もがコンピューターを持てて、誰もが気軽に使える世界。
あの時代に、そんなことを考える人は、奇人変人だったと思う。その会合でショックを受けたウォズニアックがその夜から開発を始め(もちろんそれまでに培った創造的、独創的な技術ノウハウがあってのことだが)、そしてそれがジョブズとの事業の始まりとなるアップルⅠとなって結実するのである。
パーソナルコンピューターというものが、この世に登場した瞬間。
以来、アップルは、新しい文化、文明を創造し続け、今の情報社会を創り上げた。
時代は目まぐるしく変化していきます。僕らは、その中で、変化を捉え、変化に乗り、新しい文化を創造していかなくてはならない。変化していくことが、絶対条件。
写真は今朝の野市、上岡八幡宮さん。今年もお世話になりました。
この闇夜に浮かぶ風景は、15年前ににっこりを始めた当時から、全然変わってない。ように、見える。けど、石垣は全部、耐震補強で組み直され、拝殿も耐震補強され、拝殿の階段は新しくなった。
厳かにして神聖な、神社そのものの空気は変わっていない。しかし、少しづつ変化しながら時代に対応し、次の時代へと受け継がれてゆく。
変わらないもの。変わってゆくもの。
会社の起業精神の基本、そして人としての基本は、変わらない。でも、その表現方法は、時代とともに、どんどんどんどん変えていこう。時代の変化とともに、僕らもどんどんどんどん変化していこう、と八幡様に誓った大晦日。
本年も、大変お世話になりました。心より感謝申し上げます。来るべき年も、何卒何卒よろしくお願い申し上げます。
良いお年をお迎えください!