龍河洞の未来〔5352〕2017/12/10
2017年12月10日(日)晴れのち雨
年の瀬の日曜日。街中はあちこち、すごい人出。年末ですきんね。賑やかでないと、困ります。
賑やかと言えば観光地で、観光地と言えば龍河洞。
ですが、高知の他の観光地と同じように、かつての、団体客がバスで押し寄せる往時の賑わいは無くなり、その土産物街も、古い建物で同じようなものを売っていたり、カツオのたたき定食とうどん、みたいなものを食べさせる「食堂」が並んでいたりで、空き店舗も増えていました。
ところがそこに、今、新しい風が吹き始めています。
お伊勢さんに代表されるように、古くからの観光地は、今、若者も楽しめるような、素敵なお店が並ぶようになってきています。最近行った観光地で言えば、宮島もそうだし、出雲大社なんかも、そう。江ノ島も素晴らしく生まれ変わったと言います。見事なイメージ革命が行なわれている、古くからの観光地。
ここ、龍河洞でも、そんな新しい風が間違いなく吹き始めてます。
古い土産物屋さんをリノベーションした、小洒落たカフェ。でも、そこには珍しい土佐の鶏が居たりして、龍河洞としての文脈は外していない。キャンドルを販売するお店。洞窟にキャンドル。これも龍河洞の文脈の中にあるのか。
新しい企画を展開する会社が官民あげて設立されたり、ファンドが立ち上がったりと、なかなか忙しいことになってきているのが、龍河洞。期待が持てますね~。
なんと言いましても、その洞窟のクオリティというベースがしっかりしている。美しくも面白い素材がそこにあるこという最低条件を見事にクリアしている、龍河洞。
でも僕は、もっとすごい洞窟クオリティがあると、思う。
今年6月の、ひまわり文庫新刊で「洞窟バカ」という本をご紹介しました。帯のコピーが「すきあらば、前人未到の洞窟探検」。未知の洞窟を徹底的に探検する、という不思議な、でもものすごく共感できる人物が描いた、素晴らしい洞窟ワールド。基本、今まで探検されたような洞窟には興味がない彼らだが、ぜひ、この山を今一度探検してもらいたい。
洞窟がある匂いがするのは、石灰岩質の山で、水が豊富であることらしい。思いもよらぬ、素晴らしい風景が、狭くて苦しい洞窟の先に広がっているのかも知れないのだそうだ。
向こうに見える山が、龍河洞がある、山。地理院地図の色別標高図で見ると、こんな山。石灰岩質で、水が豊富なこの山には、まだ、未知のものすごい洞窟が広がっているに違いないと、僕は思う。思うので、ぜひ、「洞窟バカ」を書いた吉田勝次さんとその一味、じゃなかった仲間たちに、探検してみてもらいたい。
今ですね、ケイビングという、洞窟を探検していくスポーツがブームとなってます。一部のマニアに。僕も、若かったら是非、やってみたかったケイビング。
現在の観光地化されたコースや子供も行ける探検コースだけでなく、訓練を積んで技術を持つマニアが楽しめるルートを開発しよう。日本の、ケイビングのメッカにしよう。世界中からへんてこりんな人たちがやってくる。
その入り口には、素敵なカフェやショップが並び、高知独特の打ち刃物や、レトロな昭和も残る、そんな商店街。
まだ、変化し始めたところの、龍河洞。ですが、これからがとても楽しみ。
この左手のお店で、おいしい食事と手作りのデザートを楽しみ、将来への期待に胸を膨らませながら帰ってきました。
古い建物ですが、リノベーションすると、すごい。そもそものつくりが、なかなか凝った建物であることが、わかります。
向こうに伸びる商店街の空き店舗に、龍河洞の文脈の中にある、それでいて魅力的なお店がならぶ日は、近い。
その向こうには、様々な層の、様々な需要に応える魅力的な洞窟が神秘の雰囲気を湛えて、待ち構える。
ああ。なんと魅力的な世界。