オリオン大星雲と馬頭星雲〔5344〕2017/12/02
2017年12月2日(土)晴れ
よく晴れた朝。地球の大気は澄み、空に満天の星。午前5時過ぎの野市、上岡。
野市の洪積台地の端っこ。台地の南には扇状地の農地が広がるので、ほとんど街灯りがない。だから、広い広い空いっぱいに煌めく星たち。星がキレイな季節になりました。
今、その農地では高知東部自動車道の工事が進んでます。道路が完成したら、道路の灯りで、今のような素晴らしい星空が見れんなるかも知れません。今のうちに楽しんでおこう。
夜明け前の西空には冬の大三角形。シリウス、プロキオン、そしてベテルギウス。以前にも書いたけど、そのベテルギウスは超巨星で、今にも超新星爆発をおこしそうな姿であると言います。太陽の位置にベテルギウスを置くと、その半径は、木星近くに達するという巨大な星。その超新星爆発を見ることが、今の僕の夢だったりします。だって、すごいことになりそうだもん。
地球からの距離は642光年と言いますので、今見ている姿は室町時代のもの。なので、現実には既に超新星爆発しているのかも知れない。
超新星爆発すると、質量によってその後の運命は変わる。ブラックホールになったり中性子星になったり。そして宇宙空間に星の残骸が振りまかれ、その元素が重力で集まってきてガスになり、そのガスが重力でかたまってきて、中心が高温の円板状のガスになる。そして中心が星となって輝き始め、その光でガスが吹き飛ばされ、一部は集まって惑星になり、新しい太陽系ができていく。
まあ、これは地学の教科書にもある、宇宙の輪廻。
で、この写真。
そのベテルギウスの下。オリオン座の三ツ星を撮影してみました。横に並んだ三ツ星。その左下には小三ツ星。いや、正確には、その真ん中は星ではない。散光星雲。オリオン大星雲が、ピンク色に光って見えてます。手持ちのコンパクトデジカメでシャッタースピードを落として撮影し、拡大してみたのがこの写真。限界はあるものの、肉眼で見るよりはるかにクッキリと見える、オリオン座大星雲。
その星雲は、一万年くらいの若い散光星雲。超新星爆発によって振りまかれたガスが集まってきている星雲で、観測すると、あちこちに新しい星が生まれつつあるんだそう。まだ円板状のガスがたくさんあるそうで、それは、いつか新しい太陽系となっていくもの。
宇宙の輪廻。
もちろんこの写真には写ってないけど、三ツ星の左端の星近くには有名な馬頭星雲があります。ガスが馬の頭の形に集まり、背景の水素ガスが近くの星の紫外線を受けて電離しているので、美しい馬頭が浮かび上がっている、散光星雲。
その星雲にも、星の赤ちゃんがたくさん。新しい星が生まれ、惑星系を形成し、巨星になったものは超新星爆発を起こして、また、宇宙にガスを振りまいて星雲をつくる。
最新の宇宙論で、無限の多次元宇宙のことを読んだりすると、この銀河での星の輪廻なんぞは、ちっぽけで身近な出来事に思えてきます。
でも、片隅で生きている僕らからしたら壮大なドラマ。
馬頭星雲は暗黒星雲。昔、アシモフの「暗黒星雲のかなたに」という本を読んだけど、その、反乱軍の星があるのではないかとされた暗黒星雲は、馬頭星雲でした。どうでもいいけど。
あの頃は壮大なドラマと思いましたけどね。
今のSF作家は、新しい宇宙論が想像の先をどんどんと進むので、大変だ。
取り敢えずは、今朝の新聞にも載ってましたが、アメリカの月を回るステーション計画に参加して、日本人初の、月面を歩く宇宙飛行士誕生をめざそう。
壮大な宇宙の、まずは身近なところから。できれば若田さんに行ってもらいたいですね。人格的にも能力的にも、空前絶後の日本人宇宙飛行士と言われる、若田さんに。