世の中、捨てたもんじゃあ、ありません〔4947〕2016/10/31
2016年10月31日(月)曇り
朝は冷えました。寒いくらい。もう、明日から11月ですきんね。早いもんだ。
今日は、田野町、安田町の酪農家さんのところへ行っております。写真は、行く途中、大山岬。旧道の旧道。
この海岸沿いの道は、もう、人もほとんど通らんなりました。正面の建物。コーヒー館「岩屋」という喫茶店がありました。昨年の4月29日、翌月に閉店を控えた「岩屋」さんをご紹介しちょります。
今も、このように、あの頃のままの姿で、雨戸を閉めて建っていました。
開店したのは36年前。と、言うことは1980年か。昭和55年。僕が高校を卒業した年だ。なるほど。
田野へお墓参りなどに行くのに、ここを通ります。通っていた国道は、この建物の裏手の崖の上。通常はそこを車で通るのですが、海沿いのこの道沿いに景観抜群の喫茶店ができた、ということで、やって来た記憶があります。36年前。
僕は運転免許を取得したばかり。親兄弟を中古の日産サニーに乗せて、恐々、運転してきたような気がします。
コーヒーカップのデザインが全部違っており、一人一人、その印象に合わせたカップを出す、という、まあ、今なら有りがちなサービスを、高知でいち早く取り入れた最先端カフェでした。
抹茶、煎茶、羊羹がある、というのも、新鮮でしたよね。
この「岩屋」は、地学で海食洞と呼ばれる、岩を波が侵食することによってできた穴に建っています。
ここは、南海地震のたびに隆起しているので、かつては海水が洗う場所にあった岩。
で、この裏手の崖の上を通る旧国道55号線も、静かになりました。最近、大山道路というトンネルが大山岬を貫通し、普通の車はそこを通りますきに。
旧国道を通るのは、道の駅を利用する方か、旧国道沿いに残る2軒の飲食店に行く方か、大山岬の上にある団地へ行く人。
団地があるので、それでも、時折車が通ります。
そして、お遍路さん。
歩き遍路にとっては、この、海沿いの道が良いでしょう。車も通らんし、景色は良いし。ここで、少し休憩を取って、次なる札所、野市の大日寺さんへ。まだまだ遠いですきんね。
こうやって、メイン道路が旧道になり、さらに旧道の旧道になり、風景やものの流れが変わってゆく。そこに、また、新しいものが生まれ、新しい風景ができてゆく。
今、四国山地へ連なる尾根の道を車で走っています。この先、かなりの山中に、弊社に牛乳を出荷してくれている酪農家さん。そこを経営する高知県酪農家若手のホープに、お嫁さんがきました。なんと、岩手県から。
素晴らしいこと。
こうやって新しい流れができ、世の中は良い方向に流れてゆく。
世の中捨てたもんじゃあありません。