壜〔4705〕2016/03/03
2016年3月3日(木)晴れ!
良いお天気。
昨日、この4月くらいから発売したいと考えておりますヤギミルクの、ラベルデザインが上がってきました。さすが迫ちゃん。なかなか良い。皆さんもお楽しみにしちょいて下さい。南国市の川添ヤギ牧場のヤギミルク。ミルクを入れる容器は、もう、決まっちょります。これ。500mlのビン。壜。瓶。なかなかお洒落な、壜。
そうか。壜だ。
ガラスのビンは、どんな漢字で書くか。通常だと、瓶。これは常用漢字にもある。つまり、我々が子供の頃の当用漢字にあったのは、瓶。
しかし、こんな形状のビンの場合、瓶よりも壜の方が、似合う気がする。しませんか?
壜は、常用漢字にはありません。当用漢字にもなかったし、最近、見かけることも少ない気もします。壜。
で、壜も瓶も、白川静先生の手による偉大なる漢字辞書「字通」とかで、音読み索引で調べようとすると、「ビン」では出てこないんですね。
瓶はヘイで、壜はタン。それが、元々の読み方、という訳だ。
瓶。左側は元々が缶で、水をくみ上げる容器の意味。つるべ。酒器という意味も。で、右側の瓦は土器のことなので、酒などを酌む土器、ということでしょうか。
そして、ガラスの酒器などにも、瓶という文字を使うようになり、今ではビンは瓶。
壜。この文字は、中国では、酒器として用いる土器を言うたにかありません。土へんが、土器であることを象徴しちょります。
つまり、瓶も壜も、酒器として使われた土器ということだ。で、いつしか、ガラスの液体容器について壜の文字を使うようになり、ビンと読むようになった、と。なるほど。
それにしても、やはり、牛乳のビンは、壜というのが似合うような気がしてなりません。私だけかも知れないが。
日本人がガラスの液体容器のことをビンと呼ぶようになったのは、瓶という文字を、かつての中国語の発音で「ビン」と読みよったき、ということにかありません。
で、瓶を「へい」と読むと陶器になり、「ビン」と読むとガラスをイメージするようになったのは、いつからのことでしょうかね。
瓶を「ビン」と読んで、陶器の場合もありますな。土瓶。どびん。松茸の土瓶蒸し。わざわざ「土」を付けんと、陶器にはならんのが日本であります。着いて来てますか?
日本で、牛乳を搾って壜に入れ始めたのは、明治の初期の頃にかありません。壜は、洗えばまた使えるし、漏らないし、中身が見える。最初は陶器やったのかも知れませんが、ガラス壜の方が中身が見え、衛生的にも見えたのでしょうか。汚れちょったらしゅっとわかりますきんね。
かつて、市販の牛乳といえば壜牛乳。日本では、それまでのお酒などに使われてきた単位「合」が使われ、一合壜というのが一般的になりました。
お酒のビンは一升瓶。一升瓶は一升瓶で、一升壜と書くことは少ないような気がする。
Googleで、一升瓶で検索すると山ほど結果が表示されますが、一升壜で検索しても一升瓶しか出てこない。一升瓶は、瓶なのだ。
話は戻って、牛乳の壜。ヤギミルクも、この、レトロにしてお洒落な「壜」に入れて、発売することになるのであります。楽しみになってきたぞ。
壜入りヤギミルク。